第5話「初の彼氏?」
「ねーねー恋果ーテスト範囲見せて〜」
そうだった。来週月曜日から金曜日までテストだ。嫌だなあ。
「多分・・・この紙、、かな?」
「ほんとまじありがとう。写真撮らせて」
パシャッ。絢香がほんとにありがとう、と言って、教室を出ていった。
四時間目が終わり、各自昼食タイムとなった。ある人はグラウンドに行き、ある人はラウンジに行き、ある人は教室で食べる。
私はというと、絢香は龍平さんと一緒に食べることが多いので、人があまり来ないラウンジで食べている。
そこで、私は携帯の通知に気づいた。メールだった。開いてみると、そこには
『岩村翔人』
という名が書かれていた。そこにはこう書いてあった。
『今日、一緒にお昼食べない?』
ついにこの日が来た。私は、いいよ、二階のラウンジにいるよ、と言った。
5分くらいして岩村くんがやってきた。
「ごめんね〜!おまたせ。あれ、食べないで待っててくれたの?」
「うん。どうせなら二人同時に食べたほうがいいかなって思って。」
岩村くんは優しげな笑顔で、ありがとう、と言った。やっぱり、顔きれいだなあ。
私が思わず岩村くんの顔をずっと見てしまっていると、
「ん?どうしたの?中野さん?」
と言われてしまった。
「あ、いや、別に、、ごめん。」
と咄嗟に謝ってしまった。これは、進展あらずか?黙々とご飯を食べていると、岩村くんが、
「こっち向いて」
と言うのでなんだ?と思いつつも岩村くんの方を向くと、あ、やっぱり、と言って、唇に指が来て、その指を岩村くんは迷わず食べた。
「え、あの、、なんで食べたの、?」
「だって、ご飯に失礼でしょ。こんなひと粒捨てちゃったら。」
これは無自覚なのか?それとも、育ちがいいのか?あーもう、なにもわからん。
そんなことを頭に巡らせていると、気がつけばこう言っていた。
「岩村くんのこと、もっと知りたいです。」
すると、岩村くんの顔が近づいてきて、
「じゃあ、、、付き合ってみますか?お試しで。」
と言った。
「お試しって、、どのくらいですか」
岩村くんは首を傾げ、閃いた様子でこう言った。
「4ヶ月で!」
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