The Sixth Day

「―――――で、今回は何ですか?またあの中学校案件ですか?」

「ん、まぁそんなところだ。よく分かったな」

「そりゃもう6日連続ですし」

「まぁ、察してしまう部分もあるか」

「今回は何ですか?」

「捜査線上に不思議なことが山程あってな」

「山程・・・・・・。嫌な予感しかしないんですが?」

「ん、気の所為だろ。しかし、今日はいい天気だな」

「(話題反らしが露骨すぎでは?)そうですね〜」

「・・・・・・。あのなぁ。真っ黒の空に不気味な雷鳴がなってる天気を安城はいい天気だと言うのか?」

「えぇ。最高の天気です。晴れると暑いですからね〜」

「(マジかよ、コイツ)一番不可解な点があってだな。題して『あおさ殺人事件』だ」

「なんです?それ。」

「簡単に言うとだな学校で飼っていた鶏が突如として死んだらしい」

?」

「いや、これは捜査線上に浮かんだ最上級の疑問なんだ。頼む」

「んー。私疲れてるんですよねー」

「ん?何かデジャヴのような・・・・・・」

「あー何か寿司とか食べたいですねー」

「分かった分かった。捜査が終わり次第奢ってやるから」

「ありがとうございます。捜査に全力を尽くします」

「あぁ。頼む」


私はそのまま例の学校に向かいました。

そしてその鶏の管轄だった三河先生という人に話を伺うことにしました。


「”あおさ”についてですよね。普通の鶏でした。ただ、まだ5年目ですし、早いと思ってました。時が経てば経つほど死の真相は深まるばかりなんです」

「前日とかに不明な点とかは無かったのですか?」

「特に無かったです。ただ、その日は頻繁に鳴き声が聴こえました。生徒に世話は任せていたので。私にはあまり。南京錠の鍵も生徒が持ってるので」

「鳴き声が聞こえたというのは?」

「鶏は死ぬ前に暴れるというからそれでしょう。そして次の日に亡くなってました」

「他に不自然な点とかありませんでしたか?」

「あるにはあるんですが・・・・・・。前にも起こったことなので」

「なるほどありがとうございます」


私は職員室を出ると、鶏小屋まで来ました。

職員室から約200mですか。

んー・・・・・・。

まぁ、良しとしますか。



大体分かりました・・・・・・。

が、これと何が事件と関係あるんでしょうかねぇ。

私は警視庁に戻り、相川さんに報告することにしました。


「お、流石だな。もう分かったのか」

「えぇ。一応。証拠という証拠は無いけどボロは出しました」

「なるほど。して犯人は誰だ?」

「犯人はあの管轄の先生ですね」

「なるほど。して何故だ?」

「簡単に言うとですね、鶏って寿命で死ぬときは暴れるんですよ。しかしあまり大きな声を出さないんです。それにも関わらず200m離れた職員室で声が聞こえたかつ頻繁ということは実際はそこにいないということ。というか、鶏は殺されそうになったから逃げ回ったというのが筋でしょう。大体、普通に飼っていれば5年で死ぬことなんてめったにありませんからね」

「なるほど。そこまでわかったなら大丈夫だな。その三河先生という人、動物愛護法違反で逮捕してくるか?」

「まぁ、その方が賢明でしょうね。それと、殺害は窒息と言った所でしょうか」

「動機は?」

「私はエスパーじゃないんですよ?何も分かりませんよ、そんなの」


ため息をつきつつ、私は席を立ちました。


「もう少し操作してきます。まだなにか分かる気がするので」

「ん、良いけど。今日中に頼むな」


私はそのまま例の中学校に行きました。

周辺の探索をする内に自分の犯したミスに気が付きました。


「監視カメラ・・・・・・。こんな所に・・・・・・」


小屋の中に監視カメラらしきものがありました。

正しく言うならビデオテープレコーダーがおいてあるだけでしたが。

私はそのレコーダーを見ることの許可を取ってくると、カバンからノートパソコンを出して見ることにしました。

しかし、亡くなる前日の夜までしか無く、それ以降のことは生徒に聴いてみるしか無いようですね。

私はこの鶏の世話にある程度関わっていた石川という人に会いに行くことにしました。


「すいません。わざわざ」

「いえいえ。良いですよ。それで何ですか」

「”あおさ”が亡くなったときの事を聴きたいんです」

「分かりました。朝、いつも通り餌をやりに行った所、倒れてたんです。そして三河先生に皆で報告に行こうと思ったらまだ先生は学校に到着しておらず、到着を待ってから報告、急いで動物病院に連れて行った所死んでいるのがわかったんです。もう1ヶ月も前ですけど」

「なるほど。ありがとうございますお忙しいところ」

「こちらこそ」


――――――――ってことは私はとんでもない勘違いを!?

調べた所、三河先生は車で来たと言ってたので、この近くのオービスを調べる必要があります。

オービスとは自動速度違反取締装置のことで、管轄は警察ですので、どちらにせよ警視庁に戻る必要がありそうですが、その前にこちらでできることは済ませておきましょう。

それと、南京錠の鍵の持ち主。

それも警視庁で調べますか。



警視庁に戻り、交通第2課にお邪魔することにしました。

そして許可を取って片っ端から調べる作業に移りました。

先程ナンバーは控えてきたので大丈夫でしょう。

調べること約2時間。

案外すぐに見つかりました。

そして南京錠の持ち主は田河。

そう考えると、すぐに分かりました。


「――――ということで分かりました」

「おう。交通課にも行ったんだってな」

「えぇ。少し調べることがあったので。それでは、行きましょう。まず、先程のことは一度忘れて下さい」

「あぁ。忘れた」

「では行きましょう。ある生徒によると、小屋には南京錠がかけられており、教師であっても入ることは不可能だったらしいです。そしてその南京錠を持っていたのは田河です。そして小屋の中にあったビデオテープレコーダーを拝借して見せてもらった所、深夜の侵入はなし、そして先程交通課で確認してきましたが、三河先生は朝、発見後に学校に到着していることが判明。そしておそらく先程にも話しましたが、三河先生はと言っただけで、なんて言ってませんでした。私のミスです。すいません。そしてそのことから踏まえると、”あおさ”は衰弱死、もしくは寿命と考えられます」

「なるほど。ありがとう。これで捜査が進む」

「1つ質問なんですけど、何故その『あおさ殺人事件』が捜査線上に浮いてきたんですか?」

「幾つかのワードが出てきて、その中の『あおさ殺人事件』を俺が引き受けたからだ」

「・・・・・・。それって押し付けですか?」

「安城、笑顔が怖いぞ」

「そして最初に契約をしたこと、覚えてます?」

「ん〜?何のことだっけか?」

「とぼけるのも白々しいですね。では明日、姉と一緒に伺いますね

「ま、待て。連絡するから俺の家には来るな」

「はいはい。冗談ですよ」


私は椅子から立つと、そのまま警視庁の出口に向かって歩き、そのまま家に帰ることにしました。



「おかえり〜閑華しずか

「ただいま」

「連絡あったけど、明日は駅前でって」

「了解です」

「勿論私も連れてってくれるよね?」

「えぇ。そう言ってあります」


私の話し相手は姉―――安城靜枝しずえです。

私は自分の部屋に入り、窓から外を見ると、丁度山の向こう側に雷が落ちたところでした。

そして私は思いもしなかった。








明日が私史上最悪の1日になるとは








≪The Sixth Day was Finishing, And To The Next Story...≫

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る