第28話:忍者 対 魔法使い その2

「あれぇ?ナイフ殴ってるのに怪我してないの?」

「これも、忍者の力、忍力のおかげなんですよ」


「へぇ。それは、ますます勝って忍者とやらの仕組みを聞き出せないとねっ!」

「あはは、そうですね(まぁ、忍者協会からは許可もらってるから、普通に話せるんだけどね)」


心太選手の拳を、突如現れたナイフで防いだオリバー選手!

そのままナイフを掴んで心太選手を切りつけました!


ふむ。しかし心太選手もそれを避けて再び距離を取りましたね。


「それにしてもオリバー先生、それ凄い魔法ですね」

「そ、そう思ってくれるのかい?」


「えぇ。その魔法、もしかしてどこにでも武器を作り出すことが出来るんじゃないですか?」

「・・・・ふっ。その通りさ!」

心太先生の言葉に一瞬だけ戸惑いを見せたオリバー選手、すぐに気持ちを切り替えたのかニヒルに笑っているぅ〜!


いや〜。オリバー選手、元々見た目が良いうえにああいった表情も良く似合いますねぇ。


本当ですね!解説のスーさん!

それに対して心太選手、見た目が普通だから表情に対しての開設が難しい、という

ところでしょうか!?


さすがは実況のスーさん。その通りです。


(うるさいよ!ってそんなこと思ってる場合じゃないな)


おぉっと!心太選手が我々にツッコんでいる間に、先ほどの倍以上のナイフが心太選手を取り囲んでいる!


ふむ。よく見るとナイフだけでなく、レイピアに斧など、様々な武器が混じっていますね~


「これが僕の魔法、『武器生成』さ!僕の知識にある武器ならば、どんなものでも目の届く範囲に作り出すことができる!」


ここでオリバー選手からセルフ解説が入った!

やはりこの武器は、オリバー選手の魔法によるものだったようですね、解説のスーさん!


そのようですね。オリバー選手が言うには目の届く範囲であればどこにでも出現可能ということのようですが・・・

それが事実なあらば、かなり凶悪な魔法とも言えますね。

しかし、気になります。


おや、何が気になるのでしょうか、解説のスーさん!?


いや、たいしたことではないのですが・・・

オリバー選手は開始前に、魔法は一つしか使わないと言っていました。

では、現在これらの武器は、どうやって動いているのかと。


(あ・・・)


おぉーーっとぉーーー!

ここにきて我々実況&解説の言葉に、心太選手が思わず声を漏らした~~~~!


(くっ・・・悔しいけど、クーに言われるまで気が付かなかった!)


「あのー、オリバー先生?」

「おや、新人君。降参かな?」


「あ、いや、ちょっと質問なのですが・・・」

「人の攻撃を難なく避けながら質問してくるなんて、ずいぶんと余裕だね~。それで、質問って?」


「難なくってわけではないんですけどね。それで、オリバー先生さっき、魔法一つしか使わないって言ってましたけど、『武器生成』で出現した武器って、なんでこうやって僕に

襲い掛かってくるんですか?」

「あ、ばれちゃった?実はこれも『物体操作』っていう別の魔法なんだよね~。もしかして、それを理由に僕を負けにするつもりかな?まぁ、約束を破ったのは僕の方だし、それならそれで仕方がないけどさ」


「いえいえ。最初の言葉を破ったら負け、なんて条件にはしていなかったですし、そんなつもりは毛頭ないですよ。まぁ、武器が作れても動かせないと意味ないですもんね」

「それはありがたいね。でも、それで新人君?この状況をどう切り抜けるつもりかな?」


「相棒とオリバー先生の言葉で、ちょっと試したいことができました」

「へぇ。それで、この状況を打開できると?」


「微妙なところです。試すとは言いましたが、おそらくこれが、私の最後の反撃になると思います。これが失敗したら、今回は私の負けです」

「(今回は、ね)へぇ。それは面白い!じゃぁ、やって見せてよ!」


「はい!」


(と言っても、僕は技の力の扱いが一番苦手なんだよな。まぁだからこそ、忍力までつぎ込むことになるわけだけどっ!!)

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