第29話:忍者 対 魔法使い 決着!

おぉっと!ここで心太選手、技の力を解放したぁ~~!


ふむ。忍力に内包される3つの力、心・技・体。その中でも技の力は、武具を操るための力ですからね。それを使って、オリバー選手が作り上げた武器を操ろうというのでしょうね。


解説ありがとうございます、スーさん!

しかし、先ほどオリバー選手は、作り上げた武器を別の魔法で操っていると言っていましたね。

魔法で操っている武器を、技の力で操作できるものなのでしょうか?


おそらく技の力だけでは難しいでしょうね。

しかし心太選手は、技の力に忍力を上乗せしているようです。


上乗せとは?


はい。幻術などを作り出す心の力。武具を操る技の力。身体能力を上げる体の力。

この3つは、それぞれでも十分に力を発揮します。

しかし、それぞれの力に忍力を上乗せすることで、その力を何倍にも高めることが出来るのです。


なるほど。それはつまり、かいおうけ・・・


(それ言っちゃダメなやつ!!!!っていうか集中の邪魔しないでもらえないかな!?)


失礼しました!心太選手からも真っ当なツッコミが入ってしまいました。

まぁとにかく、心太選手は技の力を忍力でさらに強化して、オリバー選手の魔法を打ち破ろうとしているということですね。


そのとおりです。あとは、どちらの力が勝つか。


なるほど。ここにきてまさに、忍者対魔法使いの力のぶつかり合い、といったところでしょうか!?

さぁて、これは結果が楽しみです!


(くっ・・・やっぱりきついな・・・でも)


「これでどうだ!?」

「なんだ!?僕の武器が動かない!まさか、新人君の忍術かい!?」


「いえ、忍術は使わないと言いましたからね。あくまでも、忍者の力のひとつですよ」


心太選手、汗ダクダクでオリバー選手に答えた~!


ふむ。やはり心太選手、かなりの力を使っているようですね。


なるほど~。おっと、ここで心太選手、近くのナイフを掴んでオリバー選手へと投げつけた~~~!


「これで、終わりだぁーーーーーっ!」

「くっ!」

しかしオリバー選手、ギリギリでナイフを避けた!

心太選手の「終わりだ」宣言はなんだったのでしょうか!?


いえ、心太選手の言う通り、これで終わったようですね。


「えっと・・・新人君?」


オリバー選手、いつのまにか倒れている心太選手に声をかけた!


「はぁ、はぁ、はぁ。ダメです、もう限界です。さっきの避けられたら僕にはもう反撃する力も残ってません。僕の負けです」


勝負あーーーーーりっ!!


史上初の忍者対魔法使いの戦いは、心太選手の忍力切れというあっけない幕引きだったぁーーーー!


(いや、忍術使わないで、僕結構頑張ったと思うけど!?)


「あっはっは!まさか僕の『武器生成』で作った武器を逆に使われるとはね!今回は先に僕が2つ目の魔法を使ったことだし、引き分けとしようじゃないか!

楽しかったよ、心太!」

オリバー選手、じゃなかった、オリバー先生はそう言いながら、心太の手を取り、立ち上がらせた。


「新人君から、一気に呼び捨てですか?」

「いいじゃないか!年の近い同姓と仲良くなる機会に恵まれなくてね。良かったら、友達になってくれ!」


「えぇっと・・・同僚からで良ければ」

「なんだか若干、僕がフラれたみたいになっているようだが・・・まぁいいさ!じゃぁ行こうか、心太!」


「へ?行くってどこに?」

「何を言っているんだ心太、約束したじゃないか!僕が勝ったら忍者について教えてくれるって!これから場所を代えて、忍者について講義してくれたまへ!」


「いや、さっきオリバー先生、引き分けって自分で言ったじゃないですか」

「それはそれ、これはこれさ!さぁ、笑真ちゃんとM-2組の生徒諸君!キミたちも興味があるだろう!?」


何故か絶好調なオリバー先生のテンションに押され、一行はそのまま、整校長をその場に残して校舎へと進んでいくのであった。


「忍者、ですか・・・」

整校長のそんな呟きだけが、グラウンドに吸い込まれるのであった。

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