『鉄製のフライパン』 鐘古こよみさん
〇作品 『鉄製のフライパン』
https://kakuyomu.jp/works/16818093082032026336
〇作者 鐘古こよみさん
【ジャンル】
現代ドラマ
【作品の状態】
2,500字弱の短編・完結済。
【セルフレイティング】
なし
【作品を見つけた経緯】
こよみさんの作品は、いつもの理由です。
【ざっくりと内容説明】
新婚の夫婦が、鉄製のフライパンと共に夫婦の時間、家族の時間を過ごしていくお話。
【感想】
お話は、新婚のご夫婦の何気ない会話から始まります。
彼らはどうやら、鉄製のフライパンを買うかどうかで悩んでいるようです。
今はスーパーやホームセンターなどに行くと、様々な会社で出している色んな種類のフッ素樹脂加工のフライパンが並んでいますよね。そこから多くの方がそれを使っているのだなということが分かります。
油を使わなくても焦げ付きにくく、洗ったり手入れをしたりするのも簡単。
ですが、フライパンを使った料理を沢山作られる方なんかは、やはりフッ素樹脂加工のものは長持ちしないという印象があるのかなとも思います。
今回登場する新婚のご夫婦も、「何度も買い替えるよりも、一つのものを長く使った方がいい」という考えを持っているようで、「鉄製のフライパンを買って育ててみよう」(フッ素樹脂加工とは違って手入れなどが必要なので)と購入することに。
これから長く使うものを、新生活をはじめるときに買うというのは中々いいな~と思いながら読み進めていくと、二人が鉄製のフライパンを使えるようにするための準備をしたり、何に気を付けながら使っていくかなどが記されていきます。
余談ですが、作中にもあるように鉄製のフライパンを洗うときは、お湯を使います。そしてさらに、フライパンが熱々のときに洗うと汚れが取れやすいのです。
熱いものを触ることになれている主婦の手であれば、たわしで難なくじゅわ~っと洗ってしまえるんですが、多分この若い夫婦は手が熱いものに慣れていなさそう……。そのため最初は四苦八苦しつつも、協力しながら「こうやったらいいんじゃないか」「ああしたらいいんじゃないか」と意見を出し合って、自分たちの方法を模索していったのかなぁなんて勝手に想像してしまいました。(※作中にはフライパンを洗うシーンはないので、ここは私の勝手な想像です)
夫婦の間に生まれた二人の子どもたちは、大きくなると「鉄製のフライパン」の話をしていて、どちらがそのフライパンをもらうかと、ちょっと言い合いになります。「鉄製のフライパンで作る」=「おいしい」というイメージが子どもたちのなかでできあがっているんですね。
ですがそれは子どもたちの両親が、おいしいものを作ってあげてきたからこそだなと、そう思います。
最後は私の苦手なちょっとしんみりな感じもあったのですが、夫婦で育てた鉄製のフライパンは沢山のおいしい料理を作り出して、子どもたちにもその良さが受け継がれている柔らかいお話になっています。
短いですし、気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。
今日は『鉄製のフライパン』をご紹介しました。
それでは次回、またお会いしましょう。
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