2月 February

第34話 『(復刻版)今は専業主婦だけど、週末はホームレスをしていた話』 犀川 ようさん

〇作品 『(復刻版)今は専業主婦だけど、週末はホームレスをしていた話』

 https://kakuyomu.jp/works/16818023211807489183

 

〇作者 犀川 ようさん


【ジャンル】

 エッセイ・ノンフィクション


【作品の状態】

 6千字程度の短編・完結済。


【セルフレイティング】

 なし


【作品を見つけた経緯】

 以前に読んだ犀川さんのエッセイが面白かったので、今度はこちらの作品を読んでみることにしました。


【コンテスト】

「カクヨムWeb小説短編賞2023」参加作品。


【ざっくりと内容説明】

 タイトル通り、作者さんが週末にホームレスをしていたお話です。


【感想】

 犀川さんのエッセイを読むのは、これで二作品目です。

 今回は犀川さんが二十代前半のときに、週末だけホームレスの生活をしていた体験を書かれていて、率直そっちょくにすごいなと思いました。


 ちゃんと自宅はあるんですよ?

 彼氏もいますし。

 ですが、二十代前半でありながら、パチンコと競馬をやっていて、その日は「パチンコで勝ったから彼氏とデートに行ける」って言うんですよ。世の二十代の女性で、こんなセリフを言う方は中々いないと思います(笑)


 世の中にはいろんな方がいますが、こうやって文章にするなり、絵に描くなりして伝えてもらえると、私たちは知らない世界を知ることができるので、こういう体験を読むのは興味深いです。

 

 さて、週末ホームレス体験をしていた作者さん。

 ホームレスというと、何というか秩序なんてないに等しい感じがしますが、やはり人が集まるところには、その場所にあった「守るべきルール」というのが存在するようです。


 犀川さんはそれを見て、「ホームレス社会にも面倒な上下関係があるのかと、少しだけ失望感を覚えてしまいました」と書いていらっしゃって、なるほどなと思いました。確かに、そこまで落ちぶれた……というのも失礼かもしれませんが、その分、人間社会のしがらみから解放されるのではないかと思うのも分かります。


 しかし、複数人の人間がいるということは、「社会」が生まれるということなんでしょうね。

 その上、ホームレスの生活はお金がない分、色んな面で守られていないため大変です。人の繋がりがなければ生きていけないからこそ、他者と上手く付き合っていかざるを得ません。


 ゆえに、「ホームレス」の中でも、安定した「人間社会」として成り立たせていくために、「守るべきルール」のようなものが必要なのかなと、個人的には思いました。


 犀川さんの「週末ホームレス生活」は、身の危険もありながらの体験なので、最後まで読んで「よくぞご無事で……!」と安堵あんどするところも大きいのですが、社会に存在する彼らがどういう生活をしているのか、垣間かいま見えたのは興味深かったです。


 また犀川さんが「週末ホームレス生活」をしながら、ギャンブルもして、さらにはオタクへの道へ進んで行くところも面白いので、気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。


 今日は『(復刻版)今は専業主婦だけど、週末はホームレスをしていた話』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。



*2024.2.18 一部編集しました。

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