第33話 『はからずも人命救助をしてしまった話』 柴田 恭太朗さん

〇作品 『はからずも人命救助をしてしまった話』

 https://kakuyomu.jp/works/16817330669013568404

 

〇作者 柴田 恭太朗さん


【ジャンル】

 エッセイ・ノンフィクション


【作品の状態】

 1万字弱の短編・完結済。


【セルフレイティング】

 なし


【作品を見つけた経緯】

 カクヨムサーフィンをしていて見つけました。


【コンテスト】

「カクヨムWeb小説短編賞2023」参加作品。


【ざっくりと内容説明】

 アマチュア無線のお話です。

 聞きなれない方にとっては難しく感じるかもしれませんが、解説があります。

 もしそれが理解できず飛ばして読んだとしても、きっとどういう魅力があるのかは分かると思いますので、気になった方はちょっとのぞいてみてください。


【感想】

 私自身は「アマチュア無線」のことはあまり詳しくないのですが、知人に「アマチュア無線」のことをよく知っている人がおりまして、そのとき聞いた話が面白く、アマチュア無線には不思議な魅力があるなとずっと思っていました。


 時には海外の人と話すこともできるアマチュア無線ですが、ちゃんとした免許を取得した人たちがやっており、こう……なんていうんですかね。彼らはアマチュア無線に対する真摯しんしさを持っていて、言わなくてもきちんとした常識の中でやっているところが、格好いいなぁなんて思っていました。


 そして今回取り上げた作品は、「アマチュア無線」をされていた作者さんの実体験に基づいたエッセイで、タイトル通り人命救助をされます。


 無線というからには、電話のようなやり取りなので、救助を待っている人の話から、助ける側の作者さんが「こうかな?」「ああかな?」と色々想像するところも面白いです。


 しかし何といってもすごいのは、面識もないのに、助けの輪が広がっていくところ。「何のこっちゃい」と思った方は、是非読んでみてください。アマチュア無線の魅力がきっと分かると思います。


 冒頭に書いたように、私はアマチュア無線のことは人づてに聞いただけなので、ちゃんとしたことは何一つ言えないのですが、今のSNSとは違って、一人ひとりが責任をもって向き合っているところが、アマチュア無線にはあるのかなと思います。


 他者の会話を聞くことができるとしても、それをまた別の人に言いふらすようなことはないですし、注目をされたくて話を誇張こちょうしたり、虚偽きょぎのことを口にすることがないような印象です。


 作者さんが、「インターネットが出来てからというもの、それまでアマチュア無線だけの特権だった楽しさとワクワク感、それがすっかりネットに奪われてしまった」という風に書いていらっしゃったのですが、ここにはネットよりもちゃんとした秩序があったような感じがします。(もちろん、資格を持っている人たちがしているからというのもあるとは思いますが……)


 聞いた話によれば近年は、「電波を飛ばすための鉄塔を建てたのはいいけど、壊すことになった」という話も聞くので、楽しむ人が減っているのだろうなということは感じます。


 ちゃんとした設備でやろうとするとホントお金のかかる世界でもありますし、一人でやっても仕方ないので、時代の流れだから仕方ないところもあるのですが、これはこれの魅力があるなと思うお話でした。


 もし興味がありましたら、読んでみてはいかがでしょうか。


 今日は『はからずも人命救助をしてしまった話』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。



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