第3話 『菜々の悩み事』 大田康湖さん

〇作品 『菜々の悩み事』

 https://kakuyomu.jp/works/16817330654401720903

 

〇作者 大田康湖さん


【ジャンル】

 現代ドラマ


【作品の状態】

 777文字の短編・完結済。


【セルフレイティング】

 なし。


【作品を見つけた経緯】

 以前にも大田康湖さんの作品を読んだことがあり、また何か読んでみたいなと思い訪問したところ、こちらの作品を見つけました。


【ざっくりと内容説明】

 KAC2023参加作品、お題は「アンラッキー」です。内容は777文字なので省略します。


【感想】(ネタバレしています。お気を付け下さい)

 面白い切り口のお話でした。

 作品概要には「ホワイトデーの前日、悩んでいるらしい娘の菜々に母親は尋ねる」と書いてあるので、バレンタインデーのお返しに何が返ってくるのか気にしているのかなと思っていたのです。

 しかし悩んでいたのは、ホワイトデーのお返しではなく将来の話でした。


 主人公は小学四年生の女の子、西松菜々にしまつななちゃん。そして菜々ちゃんの好きな人と言うのが、幼馴染の荒城瑛人あらきえいとくん。

 二人はこの年でお互いのことを好き合っていて、将来結婚することも視野に入れています。しかし菜々ちゃんには一つ問題があったのです。


 もし瑛人くんと結婚をしたら、菜々ちゃんは「アンラッキーセブン」になってしまうとのこと。瑛人くんの苗字は「荒城あらき」で、菜々ちゃんは「なな」だから英語にすると「セブン」になります。つまり「アンラッキーセブン」。安直すぎるような気もしますが、これを読んでいて、結婚をすることで姓が変わることに抵抗がある人たちの話があったことを思い出しました。


 日本では結婚をしたらどちらかの姓にすることになっていて、苗字を変えるのは女性の方が多いといわれています。もちろん愛する人と同じ姓になって幸せを感じる人もいますが、これまで馴染んできた姓を変えたことで悩む人もいるといいます。


 ある夫婦は、最初は妻が夫の姓に変えたものの、やっぱりしっくりこなくて、妻は元の姓にして、夫が妻の姓になることを選んだとのこと。しかし今度は夫がしっくりこないという話を聞いたことがあります。


 女性の社会進出に伴い、結婚をしても仕事上は結婚前の姓を使う人は増えてきていますが、確か戸籍上のものはまだ自由に変えられなかったはずで、難しい話だなと思ってこの話を読みました。

『菜々の悩み事』は、私が思い出した話とはちょっと違うとは思いますが、結婚したことで、自分の納得できない名前になったら悲しいだろうなと思います。


 もちろん、逆に結婚して名前が変わったことでいいなと思う人もいるので、悪いことばかりではありません。

 でも、菜々ちゃんが大きくなるころには、そんな心配しなくてもいい未来になっていたら良いなと思いました。(←現実的にというよりかは、「菜々ちゃんの幸せを願う」という祈りとしての意味合いの方が強いです)


 今日は『菜々の悩み事』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。

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