第4話 戦争の定め
「おや…じ、いく…な…」
俺は目を閉じてしまった。
「ガキンッガコンッ」
荒廃した市街地に絶え間なく響く金属と金属の旋律。
3機のSMBグループのMAKINAは連携を取り、BM-18を襲う。
一機は狙撃、二機は近接、三機は援護に回っている。
一糸乱れぬ攻撃にBM-18は攻撃に手を回す余裕もなかった。
「まずいな…このままだと…」
反撃に転じることさえもできない。
相手の攻撃を受け流すのも精一杯だ。
「推奨、戦地からの撤退、もしくは離脱が優先かと思いますが」
BM-18がクーパーに語り掛ける。
「そんなの無理に決まっているだろ!息子がまだいる!」
「なぜです…旧時のあなたならここで撤退するはずです」
再起動前のことを元にBM-18が疑問に思う。
「変わってしまいましたね…クーパー」
少し寂し気になりながら、クーパーのサポートにいそしんでいる。
「そりゃ、年をとればかわるってもんだっ!」
敵機の攻撃を背面とレッグのスラスターを滑らかに使用し、いなしながら言う。
≪ピッ≫
「推測、敵MAKINAはAIであるである可能性が行動パターンから解読」
細かいデータがコックピットのモニターに映される。
「警告、敵MAKINAは自己学習型AIと推定しました
よって長期的な戦闘は推奨しません」
長期的な戦闘を行うと敵AIが学習して戦闘能力が上がってしまうからだ。
「なお、学習データは敵MAKINA間で共有されている模様です」
「なるほど…敵はAIか…」
だが、たとえ人が乗っていたとしても破壊をするつもりっだった。
「推奨、近接攻撃をしてきているMAKINAの破壊および戦闘不能」
攻撃に転じようとBM-18が対策を考えていたようだ。
「了解だ!相棒!」
クーパーが戸惑うことなく答える。
MAKINAと人間が信頼しあっている…有人MAKINAの強みはそこにもある。
「近接攻撃MAKINAは南東、距離は約100メートル」
エネルギーシールドを近接攻撃をしてきている
敵MAKINAの方向に向け右手にあらかじめ持ってきていた戦闘用ARを装備した。
敵MAKINAはこちらの方向に直進してきている。
「ロックオン完了」
「ファイヤ!」
戦闘用ARからはマズルフラッシュの光が漏れている。
ARから放たれた鉄のBULLETは赤い閃光を纏い金属の装甲を貫く。
被弾したMAKINAは爆発四散した。
「よし!まず一機目!」
当たり前の如く次のMAKINAに狙いを定めた。
「クーパー、敵の狙撃攻撃MAKINAがレーダーから消えました」
BM-18は逐一、戦闘情報を報告している。
「なに⁉」
その瞬間、援護をしていたMAKINAがレーザー型ブレードを
背面から取り出し、刃を横に向け切りかかってきた。
「推奨、回避行動」
即座に攻撃に反応し、パイロットをサポートする。
「この程度なら躱せる!」
スラスターレバーを奥に倒し出力を上げ、右に回避した。
敵MAKINAは大きく振ったレーザー型ブレードを躱されてしまい、体制が崩れる。
「いまだー!」
右手に装備したARを敵MAKINAに向け、ワンマガジン分撃ち切った。
敵MAKINAは破壊された。
「あと一機!」
その時、一瞬動きが止まってしまった。
戦場での足踏みは禁物。
「ギュイン」再び紫色の閃光が瞬き、BM-18のコックピットを撃ちぬいた。
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