第2話 模擬戦闘だったはず…

「パーカー第五模擬戦闘場に出撃します!」


第五模擬戦闘場につくと相手のMAKINAの

種類と性能が映像ホログラムで映されていた。


「訓練機だから性能は同じか…」


MAKINAにも種類があり大体三種類に分けられる

攻撃が主体のアタックタイプと防御能力が高いディフェンスタイプ

それと汎用性能が高いジェネラルタイプがある。


俺のを含め訓練機はすべてジェネエラルタイプだ。


≪ブーーー≫

≪これより模擬戦闘を開始する≫

≪勝利基準は相手の頭の外界センサーを停止させることだ≫


教官の声がヘルメットの小型スピーカーから聞こえた。


いよいよ始まるのか…


≪両者模擬戦闘はじめ!≫


教官の開始の合図と同時にブザーが鳴り響いた。


「戦闘モード起動!」


よし、行くぞ!


≪キュインッ≫と起動音を立てて今まで緑色だった頭の外界センサーが

 赤色に変わった。


「MAKINA CP (コンピュータ)起動、敵機への最短ルートを計算…計算完了

 レーダーに表示しマス。」と自立思考型AIが起動し即座に戦闘態勢に入った。


「相手は3キロ先の荒廃した市街地か、思ったより遠いな」


俺は機体に背面にあるスラスターで敵機の方向に向かった。


荒廃した市街地の周りは一面が植物も何もない平地、そこを人型の鋼の塊が

土を巻き上げながら一直線に市街地に向かう。


荒廃した市街地に近づくにつれて破壊された建造物が増えていった。


「そろそろつく頃か…少しスラスターの推進力をカットするか。」


コックピットの左側のスラスター制御桿を奥に倒した


時速30キロほどで荒廃した市街地に突入した。


「レーダーに敵反応アリ、距離約600メートル」


俺は廃墟ビルの裏に隠れた。


確かにレーダーに赤い三角形の反応がある、それもこっちに向かってきている。


「迎撃態勢に入りまスカ?」


いやまだ接敵しないほうがよさそうだ。


「まだ、入らない」


一対一はリスクが大きいからな


「承知しまシタ」


「そういえば、相手に俺の位置はわからないのか?」


「移動さえしなければ相手のレーダーにかかることはありまセン」


「そうなのか」と言いながら周りを見渡すと、廃墟ビルが無数に建っている。


「ほんとにリアルに作られているなぁ」センサー越しでもわかるほどだ 

下には亀裂が入ったアスファルトから雑草が生えている

ところどころにへし曲がった道路標識がある、まるで戦争が起きた後のようだった。


「ここは、もともとSMBグループのテロにより破壊された市街地デス」


「そうなのか」どうりでリアルなわけだ。


≪ビービー≫


「警告、敵距離約100メートルに接近しまシタ」


俺は即座に右スティックを握りAR(アサルトライフル)を持った。


俺は即座にビルの陰から左足を軸にMAKINAの右半身を外にさらけ出すと同時に

レーダの方向を確認し、敵機の方向へ訓練用の貧弱な豆鉄砲を打った。


敵機に見事に命中したが装甲にはじかれたのかダメージはあまり見受けられない。


相手は俺の存在に気付いたのか、背面に装備していた5メートルほどの

ブレードを取り出しスラスターを使用して加速した。


「まずい!」


相手は一直線に俺の方向に向かってきている


「回避行動を推奨しマス」


「わかってる!」


スラスターの噴射口を左に向け右に回避行動を行った

スラスターからは青い光が漏れている。


俺は紙一重で相手の攻撃をよけた。


「いつも戦っているAIとはやっぱり違うな…」


「装備を振動型ブレードに変更することを推奨しマス」


再び右スティックで兵装変更を行う。


≪ビービー≫


「警告、敵機接近してきマス」


ビルの陰から出てきた鋼の塊がブレードを振り上げ接近してきている。


「チッ、しぶといな」


スラスターをフルスロットルで使用し両者とも真正面から戦いを挑んだ。


「ガキンッ」 鋼のぶつかり合う音が誰もいない市街地に響き渡る。


右スティックを握り直しSG(ショットガン)を右手に装備し


「ロックオン完了しまシタ」


「当たれーー!!」至近距離で相手の赤い外界センサーを狙い撃つ。


相手も負けじとアームを十字に組みガードする

相手は被弾したのかレフトアームを切り離した。


切り離したアームが爆発し視界が黒煙の夜に包まれる。


「やったか?」


「前方からは、熱源反応が確認できまセン」


どうゆうことだ?なぜ熱源が確認されない?


「まさか、後ろから!?」


気付いた時にはもう遅かった。


黒煙が晴れるタイミングで残ったライトアームを

ブレードとともに振り上げ俺の外界センサーを狙っている相手がいた。


「なっ…」


俺は…負けるのか…?


すると突然、静寂に包まれている荒廃した市街地を

紫色の閃光が突き抜けた。


その閃光は曲がることなく一直線に相手のMAKINAの中腹を貫いた。


灰色の相手MAKINAは誘爆し、木端微塵になってしまった。


「い、いま、何が起きた?中には人が乗っていたのに…」


「敵MAKINA完全に沈黙しまシタ」


「ビーム兵器の射出方向から敵勢力の位置を概算しマス」


≪ビービー≫


「概算完了、レーダーに敵勢力確認、方位北西、距離約500メートルデス」


なんだよ敵勢力って?理解が追い付かない。


「敵勢力は少数のものだと思われマス」


≪ビービー≫


「警告、ビーム兵器の再使用が確認されまシタ、回避行動を推奨しマス」


「マジか?!」


スラスターをフルスロットルで使用し、右に緊急回避をした。


「クソッ間に合わないっ…!」


「ガキンッ」レフトアームと外界センサーを被弾してしまった。


「警告、レフトアームの切り離しを推奨しマス」


俺はレフトアームを爆発寸前で切り離した。


「メイン外界センサー被弾、サブの外界センサーに切り替えマス」


画質が荒いものの見えないことはない。


≪ビービー≫


「敵勢力接近、肉眼での確認が可能です」


前を見ると3機の白いボディーの鋼の巨人が接近してきていた。


「あれはなんだ?!」


「戦闘ファイルから一致するものナシ」


「どうゆことだ!?」頭の理解が追い付かない。


「推測、SMBグループのものだと思われます」


 SMBグループ!?なぜそんなものが!?


≪ビービー≫


「警告、エネルギー残量5%」


まずい…!


















































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