第12話
サポーター限定近況ノートにViXのキャラクター設定集とか作ろうかなーと画策してます(要望があれば)。
もちろんそれを見なくても問題ないように書いていくつもりではありますので、これからも応援のほどよろしくお願いします。
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「ふー………」
「なんや緊張しとるんか?」
試合開始まであと5分。深呼吸している俺を気にかけていつぞやのようにヴァルクさんが声をかけてくれた。
今回のルールは
「そうですね……正直緊張はしてます。CWに入ってから初めての大会なんで。………それになんかシグさんを引きずりおろしたみたいで」
「スクリムでもいい感じになってから大丈夫やって!それにシグさんが言っとったように今回はお前のほうが勝つ確率が上がるってだけの話や。チームのみんなも納得しとるし、お前は堂々と胸張ればええ!」
そう、今回はシグさんからの提案でスタメンを交代することになった。
シグさんはキャリアも長く、チーム一の年長者としてみんなの背中を支えてきた。けれど年齢はFPSにおいて大きなハンデとなってくる。
このジャンルのゲームでは反射神経がとても重要だ。スモークを出た瞬間、フラッシュを躱した瞬間、バッタリ敵に出会った瞬間。すべての場面で反射神経は大きな武器となる。
そんな中歳を取った自分では去年よりフィジカル面が強くなったROGに撃ち勝つことができない。そう考えていたのだ。
今回はリヴァルくんに譲る。
そう言ったシグさんの顔は悔しそうだった。
なら俺はその決断を無駄にしないために絶対に勝たなくてはならない。
「はい。頑張ります」
試合開始の合図が来る。
ゲームが始まった。
今回俺が使うのはSigM4さんの代わりのサーチャー枠
俺が使うのはオリオンというブレイバーのキャラクター。オリオンは白い金属で出来た機械少女のキャラクターで、ブレイバー特有の
このフラッシュを2種類を持つというのが2ブレイバー構成でかなり使いやすい部類に入るためよく採用されるのだ。
この試合のマップは市街地B。ミッド通路が重要になることが多く、曲がり角が多いマップだ。
序盤は順調で、ゲームが始まり最初のピストルラウンドはCWが勝利。できた武器差でセカンドラウンドを勝つもサードラウンドは武器の有利が相手にある。相手を削りつつも2:1とスコア有利を取った状態でラウンドを終えた。
だがここからは武器差がなくなり純粋な実力と戦略が現れてくる。俺はオールスキルとフルアーマー、アサルトライフルで長距離も威力の高いリーパーという武器を買った。
『最初は一旦B側だな。FaiceはA側ラークして情報取って来て』
『……了解』
『相手の守り配置を見ること優先で、ミッドは俺が見る。残り1分30秒でどっち行くか決めるぞ』
『『「了解」』』
Ryukaさんの指示通り俺達は相手の配置を探る。
相手はどうやらAサイト側に3人いるみたいで、ミッドからB側をカバーするようにブロッカーがいる。ブロッカーのキャラはシステマ。人数配置的にBサイトかミッドから抜けれるBヘブンに罠が敷いてあることまでは分かった。
『システマがミッドの奥に見えたならBサイトの中には1人みたいだな。一旦ミッドtoBでミッド抜けれたら俺がAから寄ってくる敵を牽制する。システマのワイヤー注意な』
B側に固まって配置をとっていた俺達にとっては朗報。最初の読み合いは勝ちのようだ。俺達はミッドから顔を覗かせたシステマを倒し、それをきっかけに一気にBサイトへと流れ込む。
Bを守るのは件のGhost。彼はスモークをエリア内に焚き、立ち回れるスペースを作っていた。
『ごめん!
『カバーする!……ハァ?!悪いやられてもうた!』
「やりました。爆弾設置します」
『Aから寄ってきたやつも1人やれた。引くわ』
Mythsが削るも、コルトを仕留める頃には3対3。人数は同数まで減らされてしまった。
(やっぱり強いな。カバーに入ったValkさんがやられたってことはフリックの速度も精度も高い。
爆弾の設置は無事に通り、ここから俺達はそれを解除されないように立ち回る。敵はヘブンとCTから二手に別れて来ているようで、俺がヘブンを倒し、RyukaさんがCTの敵二人のうち一人と相打ち。残った一人は俺とFaiceさんのダブルピークで倒した。
その後のラウンドでやはりROGも配置を変えてきた。相手の策を読み、こちらの策を通し、両チームともが相手に対応しながらラウンドを繰り返す。両チーム一歩も引かずにスコアは4:5。試合は中盤を迎えたのだった。
唐突だがこのゲームでは相手の配置や取っている・取られているエリアなどの情報がとても大事になってくる。
防衛側は早く敵の来る側のサイトに寄りたいというのに対し、攻撃側は敵が来る前に押し切りたい。またそのような戦術的な面だけでなく、隠れていた敵にやられたり来ないと思っていた方向から敵が来たりするのも安全なエリアを取れているならばそもそも起きることはない。
だからこそラウンド開始後はエリアを取り合い、互いの動きを牽制し合うのだが……。
『悪いやられた!ケイネ100カットしてる』
『前目のアフィリアやった!A行けるかも』
『……Bのメイン通路人数情報取られた。エリアは取りかえせるかも。A気を付けて』
『取り敢えずミッドは取れそうやな。んー、またミッドtoBで挟もか。MythsそのままA。Faiceメイン通路進行できるか?』
「俺のフラッシュでBのヘブン取りましょう」
俺達が現状取れたエリアはミッドとAメイン。このままAサイトになだれ込みたいが、Bメインに俺達がいないことは分かっているからAの守りは厚くなるだろう。ミッドからA側に進行しようとしたRyukaさんがやられたのもあってBの方が行きやすい。
だが俺とValkさんがミッドから繋がるBヘブンを取ったとき、BメインにいたFaiceさんがやられたログが流れた。
『ごめん。コルト前目。撃ち負けた』
そう、ROGにはGhostさんの前目の情報取りと
彼の使っているコルトというキャラはホールダーながらスモークだけでなくストリートステップという移動技がある。ブレイバーのように距離は出ないものの普通は登れない箱や段差に登ることもできるスキルだ。
Ghostさんはそれを使うのがうまい。ファンからはゴーストステップと呼ばれる彼の動きは分かっていても翻弄されてしまう。Faiceさんがやられたのも恐らくそれによるものだろう。
(なんにせよ、もうメイン側は完全にエリアを取られた。敵が隠れてる可能性もあるし取り返すのはスキル使わないと無理だな)
「これB行きますか?MythsがAの奥深くまでエリア取れてるんでそっちでもいいかもしれないですけど」
『サイト内は分かんないけど、ヘブンまでは取れてるね』
『じゃあAの方がいい!ValkがスモークでBサイト側にフェイクして、ミッドからA抜ける通路をRiv4lのフラッシュで取ろう』
『おーけぃ!ほなスモーク焚いたあとラークしてCT側からそっち向かうわ!』
エリア取りを正面から打ち崩しに来るGhostさんに後手に回らされた俺達はミッドからA側に向かうが、向こうのチームの残りメンバーも伊達に国内でいい成績を残していたわけじゃない。
相手のシステマは既にAのCT側に待機。スモークの焚かれたBに寄ることなくヘブンからサイトへのMythsの抜けをスキルのカメラで視認。サイト内で隠れていたツールドが小型飛行機を飛ばしてフラッシュを起爆。無防備にフラッシュを食らってしまったMythsを一瞬で仕留めた。
『………一旦キープしよう。さっきも負けたからあんま金がない』
これによりエリアが極端に狭くなってしまった俺達は武器を次のラウンドに持ち越すためにキープせざるを負えなくなってしまったのだった。
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現在のスコアは4:6。続きは次話で。
今回のマップイメージはスプリット。
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