第16話:ハステレイル領へ行く道中(道無し)
~バイナリアーク領~
「よっ…ほっ…」(獣の異形の力のお陰かな、足音だけじゃなくて気配も感じる…)
街から離れてかれこれ1日が経った、街道沿いだと関所があり色んな意味で面倒なので人が通らず近寄らない道では無い道を地図で現在地を確認しながら進んでいく。
何やら鳴き声が聞こえるが気にせず行く
「…………鳴き声?」
グォォォォー!
━突然だが、ワイバーンの群れとその長だ!━
(しまった、縄張りに入ってる!)
見るかぎり何十匹と居るワイバーンの群れ…こういう時人間ならば一目散に逃げなければ生命は無いが…
「魔物相手にどれだけいけるかな…!」
ただ、どちらも運が無かったと言うべきだろう。そこに現れたのが己が鱗以上の硬さを持っている異形なのだから。そして異形は思っていなかった、衝撃と斬撃は効かない鋼鉄の皮膚がワイバーンの爪が鉄を削り取る形状と強さには弱かったことを………
「…………鉄と獣の███合成覚醒…『鉄獣人』」
頭から鉄で出来た獣の耳と足が獣人のような強靭さと形を持ち手は剣から狩る為の爪と形を取る。
━███合成覚醒━
███を2つ以上持つ鉄の異形だからこそ出来る特殊な方法だ。私も生前違う形で出来たので子孫ならば問題ないだろう。
「すぅぅぅ……」
近づいてくるワイバーンの距離を見定める。
グォー!
━ワイバーンのファイアーチャージ!━
ファイアーチャージ…炎を口に少量含みながらタックルと炎の噛みつきを行う攻撃技、ワイバーンが行う爪による引っ掻きよりも人間には殺傷力が高い。
(███より素手による戦いの記憶参照完了…)「……はぁぁぁ!」
━ガオウのカウンター狙い技!
肘と書いてあるが実際には衝突するであろう瞬間に片腕全体から武器を出現させながら相手にぶち込むカウンタータックルである。槍等を持って突撃してくる相手には盾も作り出すか少し横にズレて回避しながらやる。
ズドゴーン!
グォォォー……
「1匹だけ来てて良かっt……づっ…!?」
グォー!グォー!グォー!グォー!グォー!グォー!
ザク…ガキン!ザクッ……
「いづっ…!?」
堪らず逃げるが向こうは怒ってるのが分かるくらいに追ってくる。
━鉄の異形の弱点について━
衝撃と斬撃には強い我々鉄の異形だが、弱点はある。聖剣と鋼鉄に等しい身体を削り取る、ことの2つだ。この世界には存在しないが鉄を斬る方法や技もあると語りの男は言っていたが…持ち込まれ無いだけ運が良かったとも言えるな。
(修復は出来たけど……)
グォー!グォー!グォー!グォー!グォー!グォー!
シュンッ!スタッ…
(残り全部相手して勝つまで持つかな…?)
グォォォォォ!
ドスーン!
「………えっ?」(最悪じゃん……ワイバーンの長が龍ってさぁ!)
『全く、若い奴らがギャアギャア騒ぐから来てみれば……久しく見ていなかった異形とはな…』
(……久しく見てない…聞かない方がいいか)「……」
『そして、お前のその眼は…なるほど、フィアンマブルの姓を得たあの二人の子孫か…』
「……初代様をご存知何ですか?」
『よーく知っているとも大戦後に滅びかけていた我と仲間のワイバーンを保護してくれた恩があるのでな、結局返す事は出来なかったがな…』
「………」
『さて、恐らく望まず縄張りに不法侵入したフィアンマブルの子孫よ。この度は、若い衆が悪いことをした』
「知らず知らずのうちに入ったこちらが悪いのでおあいこです。」
『そうか…まぁ、お灸は据えてくれたようじゃしの。さて、本人たちに返す事の出来なかった恩を返したいが……』
(断るのは悪いし……)「それじゃあ……何か用があれば呼ぶのでそれを手伝ってくれれば大丈夫です。」
『そうか……分かった。後、どう呼ぶのか聞いて
「うーん………」
『まさか…考えとらんかったのか……?』
「だ、大丈夫です考えてますよ。」
簡単な鉄の鐘を作り上げる。
『鐘か?』
「僕の魔力に反応すれば鳴り始めるのでこの鐘を持ったら場所が分かるので来てください」
『ああ、分かったぞ。』
「では、失礼します」
『うむ、汝のするべき事への努力と運を祈っとるぞ』
思わぬ遭遇と初代様が成していたことを知れた僕は龍に別れを告げ、ハステレイル領へ向かう。何があっても迷わないように地図を見ながら……
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