第4話:その日の夜

今回は姉視点となります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「……ここがこうなってて…」

私の名前はレビティア=フィアンマブル。年齢は12歳、8年前…私が4歳の時に弟のガオウが産まれるはずだったのに……


『母さんも弟も共に死んだ……』

弟の顔も見れず、お母さんも失った。お父さんから聞いた言葉で当時の私は3日も泣いて部屋に閉じこもっていた。じいじのお陰でどうにか立ち直っていずれなる当主の名に恥じないように政治や魔法の勉強をしている。


「お嬢様、今日のところはその辺で切り上げた方がよろしいかと。」

「…そうしましょうか。それで、お父様はどんな様子だったかしら?」

「少々、不安な面持ちでしたが私めが問題ないと伝えておきました」

「そう……何から何までありがとうね。」

「今は亡き当主である奥様からの最後のお願いでしたので礼には及びません」

「お母様から?」

「はい、『私に何かあったら娘と産まれてくる子の為に尽くしてほしい』と…」

「…そうなのね。これからも期待しているわね」

「お任せくださいませ。」

「それでは、おやすみなさい。」

「おやすみなさいませ」

じいじが部屋から出たのを確認して寝間着に着替える。

(私の手でガオウをあそこから連れ出せれるように頑張らなきゃ……)

お姉ちゃん、とガオウに呼ばれたことを思い出す。顔は口以外鉄面で覆われていて分からなかったが…産まれていたら後ろから着いてきてくれていたかもしれない……

(叶わなかった日常ゆめを見るなんて…疲れてるわね……)

そのまま、ベッドに潜り込み目を閉じ眠る。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る