第13話 帰宅後にチェック&SNSでメッセージ
深沢とのファミレスでの食事を終え、帰宅した。俺は即座に手洗いうがいを済ませ、ベッドに腰を下ろす。いつもと変わらず、布団は弾力感があり、俺を受け入れてくれる。
ここ2,3日はヨムカクの更新をしていない。小説のネタが無く、筆が進まない。自然とヨムカクにアクセスもしていない。2、3日にヨムカクにアクセスする。
深沢の話を聞き、彼女の知人や家族にも読んでもらえていることが分かった。深沢の拡散からかなりの評価を獲得できていることが推測できた。憶測だが、星・いいね・コメントなどは格段に増えていると予想もできた。
拙作がさらなる多くの人間から称賛されている。そう思うと、ワクワクと嬉しさが込み上がる。身体に熱を帯びながら、ヨムカクにアクセスし、マイページを開く。
パッとマイページに様々な情報が表示された。
おいおい。これは現実かよ。いや現実だよな。だってマイページに記されてるし。
拙作『彼女を奪われた俺のリアル実話』はとんでもないことなっていた。
星は3000を超え、フォロワーは5000人を突破。コメントも500件にアップし、いいねも5000を超過した。
この数値ならもしかして。俺はランキングのボタンをタップし、ラブコメの週間ランキングを確認する。
ラブコメ週間ランキングを開いた直後、俺は愕然とする。なぜなら、俺の作品がランキングを開いた直後に、飛び込んできたからだ。
ラブコメ週間ランキング1位の欄に『彼女を奪われた俺のリアル実話』の名前があった。つまり、俺の作品はラブコメ週間ランキングで1位になった。もう1回言おう。俺の作品はラブコメ週間ランキングで1位になった。
夢にも思わなかった。まさか拙作がラブコメ週間ランキングで1位を突破するとは。俺にはそこまでの実力はないはずだ。ヨムカクには創作の才能ある猛者で溢れる。当たり前のように週間ランキングのTOP10入りする作者もいる。所謂ヨムカクプロ作家という奴だ。そのプロ作家を押さえて俺が1位…。いや信じられないな。もう少し落ち着くまでに時間が欲しいな。
流れるように総合ランキングも確認する。総合ランキングは少し下にスクロールした。流石に1位では無かった。TOP10は異世界系がすべて居座っていた。
だが、30位だった。まさかの総合でTOP30入り。ラブコメ週間ランキング1位だから当然かもしれない。初めての経験で実感もわかない。
PVも50万を達成していた。とんでもない数字だ。
一応、ヨムカクリワードプログラムにも参画している。この企画では、PVに応じてスコアを獲得でき、1ヶ月に1度、スコアはリワードといったお金と同等の価値の物に換算される。そのリワードはお金と交換でき、銀行口座に振り込める。
「うわぁ~~すげぇ~~」
1人しかいない自宅で、感嘆して思わず大きな声を漏らしてしまった。俺を責めないで欲しい。確かに近所迷惑かもしれない。しかし、直面した現実が驚愕すべき事態だ。みんなもおそらく直面すれば、俺と同じ反応をするはずだ。
みんな覚悟は良いか?
スマートフォンにはスコア数が表示される。いずれリワードに換算されるスコアは10万も溜まっていた。なぁ驚いただろ?
流石に10万リワードは手に入らないだろうが、最低10分の1は手に入るだろう。つまり、1万リワードは手に入る計算である。執筆を始めて2週間で1万円を稼いでしまった。どのバイトよりも労力が低く稼げてしまった。
毎度の如くウハウハが抑えられない。今日は抑えられず、スマートフォンを握り締めながら、ベッドでゴロゴロ回転しまくる。嬉しさの表れだ。
ピーンポーン。
そんな興奮状態にある俺に警告するように、俺のスマートフォンが通知を伝える。
スマートフォンにたしなめられてる感じがした。おかげで少し落ち着いた。だが、ウハウハは胸中に多大に残る。
「誰からだ? は!? 」
再び驚愕してしまった。今度は無意識に素っ頓狂な声が漏れた。
深沢からSNSでメッセージがあった。いきなりのメッセージだった。既読を付けようか迷った。だが、身体に残る興奮が勢いを与え、通知欄に記されたメッセージをタップした。
気分とは恐ろしいものだ。いつもなら熟考をするところを、スキップして積極的に行動してしまうのだから。実に恐ろしい。
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