チ◯コは好きですか?!
「この前ばお世話になりました。家まで上げてもらって」
「良いわよ。私の母もイチもつ鍋ぐらいならまた作ってくれるらしいし」
もつ鍋だろうな。ほんと、凛城家はブレない。
「そう言えば今日はバレンタインデーね!」
もうそんな季節か……今年は凛城先輩からも沢良木さんからも貰えるんだろうな。沢良木さんからもらえる妄想をしている去年の俺に教えてやりたい。
「誉くん。私のは前座ということで先に渡しておきますね」
「前座って……ありがたく貰いますね」
沢良木さんから綺麗にラッピングされたクッキーを受け取る。狐色で丸いクッキーは見ているだけでお腹が空いてくる。
「痴漢ちゃん?!ちょっとクリオチン高くないかしら?」
「クリオチンってなんですか……卑猥なことだけは分かりますけど。クオリティならほとんど被ってませんよ」
ただ語感なら近しいのだから下ネタとは不思議なものである。
「貴方……その、私……こう見えて料理とか出来ないの……」
「凛城先輩は見たまんま出来ない感じでしょ」
「見たアンマでイケない感じってどんな感じよ」
「マジでどんな感じだよそれ!!」
本当にこの人と喋ってると話が進まない……その才能他に生かしてほしい。沢良木さんが傷心している凛城先輩を慰めている。
「あの……それでも、もらってくれる?」
「もちろんですよ。感謝しながら食べさせてもらいますよ」
「そう。じゃあ……」
そう言って凛城先輩は胸元のリボンをほどく。……え?
「私を食べてぇっ」
「料理どこ行った!」
下手もクソも無いじゃねーか。ちなみに胸も無い。おっと危ない。
「連射しながら食べてくれるって言ったじゃない」
「感謝だよ!連射しながら食べるって何?!」
サーセン。意味わかりません。なんならシャーセイまである。何言ってんだ……。
「冗談よ。アンッ//メリカンジョークよ」
「アメリカン要素どこだよ」
「私からははい、これ。もしかしたら口に合わないかも知れないけど」
凛城先輩は差し出した小さな箱を早く開けろと言わんばかりに見つめている。
「これなんですか?」
「すっぽんサブレよ。ほとんどクッキーね」
しかもこれ買ってきたやつだろ。マジでさっきの前置きなんだったんだ。
「なんですっぽん?」
「知らないの?すっぽんを食べれば性欲が強くなるのよ」
「下心丸出しじゃないですか……」
「すっぽんぽんってね!」
いや、うん。上手いんだけど……ね?
「凛城先輩、もう少し上品に出来ませんか?賑やかなのはいいことですけど凛城先輩なら下ネタじゃなくても笑いを起こせるでしょうに」
「確かに私と痴漢ちゃんなら上品さは月とすっぽんポンかも知れない」
「ただの露出狂じゃねーか」
すっぽんネタもう良いから。俺は結構好きな部類だけど。すっぽんぽんは分かるのか沢良木さんも苦笑している。
「
「待て待て痛いよ!」
「それでも貴方とはあまり大差ないと思うの」
「嘘だろ……」
でも頻度は凛城先輩に軍配が上がるけど俺も人のこと言えないのか。
「そうですよ。五十歩百歩です」
さすが沢良木さんと言うべきか。故事成語のノリにしっかり着いてくる。
「痴漢ちゃんからすればクリクリの性比べね」
「どこで何を比べてんだ!どんぐりの背比べでしょ」
「でも私と貴方はもっこりもっこりで似たり寄ったり。目くそ鼻くそでマン毛チン毛よ」
「ツッコミどころ多すぎだろ!!!」
半分ぐらい意味わかんなかったぞ。特に一番最後が酷すぎる。新しい言葉を作るなよ。
「どっこいどっこいも分からないの?」
「モッコリモッコリがどっこいどっこいになるんですか?バグでしょ。でも確かに俺も言えた話じゃないですね。ちょっとで良いんで気をつけましょう」
「そうね。
「善処しろ!」
このセンスだけは見上げたものだ。治りそうもない理想を掲げながらそう思う。
「誉くん。ホワイトデーのお返しは5倍で良いですよ」
「相場は3倍じゃ……」
普通に考えて3倍もおかしいけどね。お菓子だけに。
「貴方はちんこにチョコをかけて……ごめんなさい。伏せ字を使うわ。チ◯コちんこにしたら良いのよ」
「◯の位置間違えてるって!」
「チンポジ?」
「ちげーよ!!!」
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