チン年明けましたっ!
「さっむ〜」
手を擦りながら鳥居の下で凛城先輩を待つ。沢良木さんは少し遅れてくるらしい。それが意図してかどうかは俺には皆目見当も付かないけど。
「開けましたおま◯こでございます」
「あけおめですね」
新年1発目からぶっ込んでくるなー。初詣なんだから人が大勢いるんだ。やめてくれよ。
「凛城先輩、もうちょいマシな挨拶出来ないんですか?」
「ハッピー
「何ですかそれ…」
厚着の凛城先輩はマフラーに顔をうずくめながらニコッと笑う。凛城先輩が来るまでは意識しちゃってたが正直これが恋心だとは全く思わない。
「じゃあ、痴漢ちゃんが来るまで回りましょう!」
「ですね」
カステラに唐揚げ、おみくじに千本引きなど多くの出店が出ていた。夏祭りならぬ冬祭りと言ったところだ。
「射的があるわよ!私もパンパンしたい!」
これが下ネタに聞こえるのは俺が悪いのだろうか?なんて考えながら列に並ぶ。
「貴方は初夢見たかしら?」
「見てないですねー」
「つまり新年初夢精はまだなのね」
「何もおめでたくないんだが」
「おめでたー」
「ちょっと黙ってくんないかな」
元旦ということもあって人が多い。おみくじと賽銭に関しては長蛇の列と言って差し支えなかった。
「時間かかりそうですけどどうしましょうか?先に並んでおいて沢良木さんが来たら合流します?」
「それもアリね。アナリよりのアナルね」
「どこによった何なんだよそれ」
「アナによったナニに決まってるでしょ」
おい、流石に何をナニにするの擦りすぎだから。もうそろそろ控えよう。ね?
「支離滅裂すぎでしょ」
「支離ケツケツ?」
「
会うのが久しぶりだからって飛ばすなー。しっかり冬休みに下ネタ考えてたんだろうな…
「2人ね、300円」
おじさんに300円を渡し、俺から始める。もちろん視覚も資格も無く、あるのは死角だけの俺は300円をドブにヘッドショットする。
「次は私ね」
俺からコルク銃を受け取り弾を詰める。キュッと音がするまで押し込んだらパンダの景品に狙いを定めた。
「ねぇ、貴方?もう出して良いのかな?出ちゃう!出ちゃう!」
「早くしてくださいよ。まだ2発残ってるんですから」
屋台の土台に肘をつき、腰を突き出した凛城先輩はどことなくイケナイ雰囲気を醸し出していた。
––––パンツ
打ち出されたコルクは虚空を進み、後ろのガードに当たって地面に落ちた。
「真っ直ぐ飛ばないわね。精◯みたいだわ…、3発打つなんてハッスルしすぎねコヌク銃…」
「コルク銃な」
精◯が云々カンヌンは食い下がらないことにした。食うもんじゃないしな。飲むもんだ。問題発言すぎるだろ。
その後も2発とも同じような軌道を描き結果600円をおじさんに寄付する形となった。そして今は2人で賽銭の列に並んでいる。
「アンマの無理よ。タマが1マン
「そのネタは絶対いつかやると思ってましたよ」
まさか神聖な一月1日にするなんて…
「今年は
「去年がサルだったんで…」
「
「わかんねぇーのかよ。次は
羊は思い浮かばなかったんですね。あと猪の落ちがえげつねぇ。ついでに堕ちてもいる。
「鳥といえばフェセックスね」
「フェニックスな」
「いつも
否定はできないけど…しなきゃダメだね。
「風情がある鳥といえばやっぱりスグイクかしら?」
「
「でしょ?鶯系統ならオオクリとかが有名かしら?」
「鳥に詳しくないんでツッコめませんよ」
ただちょっとその動物は気になる。多分ピンク色。そして触られるのに敏感そう。として色んな意味で飛ぶ。
「なによ。オオルリな。ってオオクリに入れてくれると思ったのに」
「語弊招きすぎでしょ」
「鳥といえば
聞いたことねぇーよ。正確には
「でも2鷹の鷹って動物じゃ無くて
「そうなの?つまり山、山ときてアワビってこと?」
「アワビから離れろや。茄子ですよ。
そう言うと凛城先輩はみんなアワビから出てきてるのに…なんてほざいてた。
「誉くん、知ってましたか?一富士二鷹三茄子の後に
「あっ、沢良木さん、明けましておめでとうございます」
「こちらこそ。今年もよろしくお願いします」
「アヘオエェ、ホモヨロね」
気持ち悪い挨拶だなぁ…にしても今日も、今年も沢良木さんはお淑やかだなぁ。ちょうど俺たちの番が回って来た。
「貴方達、三
何回レイプされれば良いんだよ。と心の中でツッコんで、
「おみくじ引きましょうか」
沢良木さんの提案にのり、全員でおみくじを買った。
「私は吉が出たわ。確か大吉の次だったわよね?今年も安泰ね」
「私は中吉でした。吉の次なので私もそこそこですね。誉くんは?」
俺のおみくじを覗き沢良木さんはうわぁ、と声を出す。
「俺凶なんですが…」
待ち人…来なくていい人が来ます
失せ物…思いがけない形で見つかるでしょう
旅立ち…近場で済ませろ
商売…慎重に
学問…今まで通りでしょう
恋愛…近いうちに
凶にしたらいい方なのかも知れない。特に恋愛だな。あと待ち人ってどう言うことだよ。怖い神からのお告げに少しばかり気分が
「それは残念ね。でもここから上がるしかないって考えましょう!」
なんて凛城先輩はありきたりなことを言ってくれたが現実はそう甘くなかった。
家に帰ると4年ぶりの人がいた。
「お帰りなさい。誉。久しぶりね」
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