ここで一句ゥゥ!
晴れて顧問をゲットした俺たちはその見返りとして、中イキ……ゴッホゴッホ、中居先生の雑用を片付けていた。
「事故喚起のキャッチコピーねー、何がいいかしら?」
「啓発ポスターってことですよね。それならイラスト化しやすいってのもポイントですね」
「絵としてロードをしやすい……エロ化ね」
何言ってんだこの人。ロードってダウンロードのことだよな、じゃないと道になっちゃうよ。
「最近の交通事故の4割は学生、3割は幼稚園児、2割が高齢者って感じらしいですよ」
「じゃあ学生に向けてのポスターを中心に一度考えてみますか」
沢良木さんの助言を受け俺がまとめる。
凛城先輩がこの仕事持ってきたんですけど……。
「やっぱりボールが転がっていって、取りに行くと事故に遭う。見たいなイメージが多いですね」
「ならこんなのはどうでしょう?『そのボール、大切ですか?命より』」
我ながら傑作だ。五七五の俳句となっている。そして倒置法によりインパクトもある。さすが現代国語一位!
「いいですね!イラストにもしやすいと思いますし!」
「でも金玉は2人以上の子供を産むなら大切と言えるわよ」
そう言う見方で否定してくるのかよ。物事を立体的に見るとか言う次元じゃない。正に次元が違う。あと金玉は二つあるから四人産まなきゃ割に合わない。
「これなんてどうかしら?『その事故は、たまたまじゃない。タマタマよ』」
「どうやってイラストにするんですか!って言うか最後ひどすぎでしょ!」
「あら、ダメかしら?」
「良いわけないでしょ」
「では子供の怪我は親の責任でもあると言うことで親へのキャッチコピーを考えてみてはどうでしょう?」
確かに親に伝えることができたら子供にも注意しそうである。さすが沢良木さん。誰かさんと違って有能である。
「この前動画で見たんです。小さなお子さんに子供用のハーネスをつけることで守ってあげる親御さん」
ハーネスってあれか、命綱みたいなやつ。高低差が大きい場所とかでは子供にハーネスをつけて自分が持っているだけで相当リスクを減らせると思う。
「そうですね……じゃあ、『見守ろう!視線も一つの、ハーネスだ』とかどうですか?」
「ダメよ。インパクトが足りないわ。それなら……『オチンチン、体を繋ぐ、ハーネスよ!』の方がいいわ」
「なんのキャッチコピーか分かんねぇよ!」
オチンチンから始まる啓発ポスター見たくねぇよ。第一街中に貼れないだろ。言うなればそう、『まじ辞めろ!下ネタハーネス、マジハデス』……誰が解説お願いします。
「私も一ついいですか?『気をつけて、曲がり方では、止まろうね』とか……」
「いいで––––」
「『急なレイプで、性病になる』」
「下の句つけんな!」
交通事故だって言ってるだろ……なんですぐ
「やっぱり子供向けの方が作りやすいですね」
「そうですね」
沢良木さんに相打ちを打つ。凛城先輩はと言うと「幼い子……
「現代風なら『ダメ禁止!歩きスマホは、辞めましょう』とかですかね」
「誉君すごい!めっちゃいいですそれ!」
沢良木さんは立ち上がってまで褒めてくれたが凛城先輩は下の句が思いつかなかったのかしょげている。
「一つ思いついたわ!『静止して、出していいのは、精子だけ』」
「真面目に考えてくださいよ」
「真面目も真面目、大ま○こよ!」
「ぜんっぜん真面目じゃない!」
大ま◯こってなんだよ…真面目と並んでいい言葉じゃないだろ。と、いいものを思いついたのか沢良木さんがポンと手を打つ。
「あっ!凛城先輩の拝借するんですが、『静止して、生死の狭間、左右する』とかどうですか?」
「真面目に考えてくださいよ」
「凛城先輩が言いますかそれ!」
わざわざ目を細めて俺の顔に近づけているのが腹立つ。スカした顔しやがって。
「良いわよ。私だって真面目に考えたら完璧なんだから!『
凛城先輩の短歌に俺と沢良木さんは息を呑む。もう9月も終わりなのに夏が来たようなそんな感覚があった。2人して凛城先輩を無言で見つめる。
「な、なによ、何か喋ってよ……」
「なんか……感動しました」
「わっ、私も……」
「あらそう、やけに素直ね、そんなに褒められるとは思ってなかったわ」
因みに凛城先輩
「じゃあ、最後に、ここで
「体育大会……8文字じゃねぇか」
「
「誰が上手いこと言えと」
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