ナンパは受け入れましょう!
俺たち3人は浮き輪を広げてぷかぷかしている。かれこれ20分ぐらい波に揺られていると簡単に言えば飽きてくる。
「水平線って綺麗よねー」
「凜城先輩、それ4回目です」
「まさに透けてるパンツ見たい」
「適当言い過ぎでしょ」
因みに3回目は食い込んでるパンツ見たい。だった。
「キャッ!」っと、凜城先輩が可愛らしい声を出す。
「見て!ナマンコの内臓よ!精子見たい!見て!ほら!気持ち悪い〜」
そう言いながら足に付いたナマコの内臓?を見せつけてくる。可愛いと思った俺の感情を返せ。
「くっっさ、まるで貴方みたい」
「俺そんな臭いですか?!」
え?嘘?俺臭い?
「そんなことないですよ」
「良かったー。沢良木さんにまで臭いって言われたら、このまま海に流されますよ」
なんて会話で気づいたが結構奥の方まで流されてきている。
「結構流されちゃいましたね。戻りますか」
「そうね。さっきまで干潮で教調が絶好調だったけど、今は満潮ならぬマンコ潮だものね」
「マジで何言ってんだ」
恐らく干潮から満潮になって陸との距離が離れたってことだろう。日本語なのに英語より翻訳いるのバグだろ。
俺たち3人はマン潮に抗い陸へと帰った。
「あっちの方は人多いですね。何してるんでしょう?」
「確か
「潮吹き大会ね。アワビからドピュッドピュッっのヌメヌメ天国ね」
「大地獄だろ」
どこの次元の天国だよ、あとドピュッっていうな気持ち悪い。
「そう言えば、アナを忘れたは!持ってくるから先行っといて」
凜城先輩は海へと戻って行く。今の会話で浮き輪を海に取りにかえると分かった人は下ネタ検定準二級です。なんだそれ。
「案外海ってやること無かったですね」
手持ち無沙汰になって沢良木さんに話しかける。
「それが海の良さなんじゃないですか?」
「確かにそうかもですね」
社会から距離を取り自然に身を置くのを楽しむものなのだろう。なんて考えていると一人の男性に声をかけられる。
「ねぇちゃん、ちょっと俺と遊ぼうや。金もあるし、こんな男より楽しませてやれるぜ?」
金色に染まった髪とピアス、真っ黒に焼けた肌に緑の海パン。これ以上ないチャラ男だ。なんて分かりやすい。
「でっ、でもぉ…」
沢良木さんが2歩あとずさる。それに合わせてダンスのようにチャラ男も2歩前に出る。
「遠慮せずにさ?」
チャラ男が沢良木さんの腕を強引に掴もうとする。おっと、それは看過できませんねぇ。
俺はパッとチャラ男の腕を弾く。
「すいませーん。僕の連れでしてー。遠慮していただけると幸いでございますー」
チャラ男は右目の眉を上げ酷く睨む。ちょっと怖いな。
「んだと、ゴラァ!舐めてんじゃねぇぞ!」
「そうよ!舐めるのはクリクリとビーチクだけにしときなさい!アナを舐めると感染症の恐れがあるわ!」
一瞬にして空気が凍る。まぁしょうがない。俺ですら誰だコイツと思っているのだから。
「口出ししてくんなよ。お前誰?」
「貴方こそ何かようかしら?海パンなんて履いちゃって、私なんて
「は?……」
初対面でこれはキツイなー。不意の凜城先輩の下ネタほど火力のあるパンチはない。
「ナンパなら『一緒に遊ぶ』じゃなくて、『何発イク?ナンパだけに』ぐらい言わないと」
「おい、えっ、夢っ?」
完全にチャラ男がテンパっている。彼の言う通りこれは悪夢の
「あー、あー、頭までチ◯コに侵食されちゃって、まさにお前の頭は亀頭ってな」
流石に攻めすぎ?これぐらいで良いよね。
「バカにしてんのか?喧嘩なら買うぞ?」
おっと攻めすぎたようです。
「チャラ男さん、落ち着いて、まずはチン呼吸よ。イッてー、勃ってー、イッてー、勃ってー」
チン呼吸て、ふふっ、てか吸って吐いてだろ。呼吸ですら無いじゃん。
「何これ?えっ?やっぱ喧嘩売ってるだろ。女だからって容赦しねぇぞ」
凜城先輩は次に沢良木さんに視線をやる。マジ?沢良木さんにもやらせんの?沢良木さんは何か感じ取ったのか男の前に出る。
「さっきから、うるさいですよ。ナンパして良いのは
沢良木さんは指の関節を鳴らしながら上目遣いでそう言った。難破とナンパか、上手いな。
「いっ、嫌ダァー!!」
チャラ男は転けそうになりながら砂浜をかけて行った。
「一件落着ですね」
「あの男はアナがあったら入れたいでしょうね。」
「穴があったら入りたいな。この期に及んでまだヤりたいの
そうして、俺たちの海は終わったのでした。
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