ヤればできる!
「はぁー」
部活かぁ〜と、ため息を吐く。ため息をすると幸せが逃げると言うが幸せな人はそもそもため息なんて吐かない。
重い足取りで部室に向かっていると前から涙目で必死にこっちに走ってくる凜城先輩が見えた。
「助けてぇ!痴漢ちゃんがぁ〜」
凜城先輩が俺の肩をガシッと掴む。
「どうしたんですか?」
「痴漢ちゃんが……痴漢ちゃんが……ダメよ。そんなのダメよ」
「いいから。なんですか?」
「落ち着いて聞いてね、痴漢ちゃんが男の子を集めて一斉にオ◯ニーさせようとしてるの」
……は?……は?えっ?ん?嘘だよね。うん。嘘に決まってる。
「どっどっどど、どう言う冗談ですか?」
「冗談なんて言ってる場合じゃないのよ。冗談抜きでイッてる寸前なんだから!」
この人どこでも通常運転だな。
「とりあえず早く来て。百聞は一見にシコるよ」
「しかずな」
とりあえず部室に着くと男が3人と、床に魔法陣。白い浴衣的なものを着た沢良木さんが立っていた。何これ?
「あっ、4人揃いましたね」
沢良木さんの口元には薄いリップが塗ってあった。
「とりあえず誰ですか?この人たち?」
「どうも。ドゥフ//モブAと申すでござる」
「プギィ!モブBでごわす!」
「ペロペロペロッ、モブCドスペロペロ」
自己紹介雑っ、あと3人目キモ。
「で、モブAからCはなんでここに?」
「それがね、貴方、この前私が痴漢ちゃんに男子の神聖なる行為の説明をしたでしょ?」
そんなことしてた気がするな。確か魔法陣とか生贄とか……えっ?
「そのために集められた3人よ。貴方も含めれば4人ね」
「ちょっと待ってください。沢良木さん?何考えてるんですか?」
「あのっ、自分だけ知らないのが恥ずかしくて、クラスの子達にお願いして生贄は私でいいから……って」
おぉおぉ、世も末だな。
「プギィ!然り。我ら陰の者は
「まぁ、分からんでもないけど」
確かにモブ…………ABCどれ?が言わんとしてることは分かる。ただ、なぜそうなったかは分からん。誰が喋ってるかも分からん。
「てか沢良木さん。とりあえずやめません?」
「そうよ!そんなっ、6Pなんて、チーズじゃ無いんだからっ!」
おい待て、俺だけじゃなくてあんたも入ってんじゃねぇか。
「ダメっかな……?」
「ペロペロペロ。これを間近で見れるとわ、幸せドスペロペロ」
コイツの語尾何とかしろ。ドスペロペロってなんだよ。
「マンマンっ!とりあえずナニ事にも挑戦よ!やれば出来るし、ヤればできる!」
「なんで2回言ったんですか……」
「2回目はヤッたら子供が出来るってことよ、オパオパ」
オパオパってなんだよ。マンマンも分からんけど。モブ達の語尾に対抗しているのだろうか?
「ドゥフっ、もう文字数的に始めないと間に合わないでござる。
恐らくモブAが制服のベルトに手をかざす。
「ストップストップ!誰も見たくねぇよ!」
「確かに見たく無いけど、見なくちゃいけないです。成長のために」
「沢良木さん……落ち着いてください。間違ってますから生贄なんていりません」
沢良木さんがポカンと口を開ける。腑抜けた顔も絵になるなぁ。
「そうよ。魔法陣があれば生贄はいらないの」
「魔法陣もいらねぇよ。」
「じゃあ何が必要なんですか?」
「ティッシュとオカズね」
凜城先輩が嬉々として言いやがる。
「プギィ!我レベルになるとティッシュさえあれば想像で新しい命を創造できるでごわす」
「ドゥフっ、
「ペロペロペロ。吾輩は女性の耳垢だけで十分ドスペロペロ」
何の話これ?
「ねぇ、貴方はどうなの?」
「いや、どうって……」
ごめん。分かんない。モブCが尋常じゃないくらい気持ち悪いこと以外はマジで分からん。耳垢で何するんだよ。ナニするんですね。
「私は[自主規制]と[自主規制]でアソコに[自主規制]を[自主規制]して……最後に[自主規制]で終わりよ。」
「えげつねぇ。放送コードに引っかかりっぱなしだ」
「じゃあ、魔法陣も、生贄も、何人も集める意味なかったんですか?」
「そうですね。残念ながら」
「そうですか…ごめんなさい。時間を取ってしまって」
そうしてモブ3人は家に帰って行った。にしても色の濃い奴らだったな。
「あのっ、じゃあ誉くん。見せて?」
顔を赤くして懇願する。いやっあのっ……
「ダメよ![自主規制]が[自主規制]して貴方がチンチクリンのチンチンクリクリンになったあと、エックスカリバーが、セッ◯スカリバーよ」
その後も何度も[自主規制]を発したおかげでその日はなんとか乗り切ることができた。出来てないね。
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