お勉強会ですっ!

「明治維新わからーん!」


「急にどうしたのよ」


 テストを目前に控えた俺たち3人は部室でテスト勉強をしていた。そして俺は苦手な暗記科目に出鼻を挫かれていたのだ。


「誉君。日本史は語呂合わせで覚えると良いですよ。藩と言わない1 8 7 1廃藩置県。みたいな感じで」


「おお!」


 沢良木さんの優しい気遣いで何とかなりそうだ。マジでありがたい。語呂合わせって面白いのもあるし良いよね。


いいオナ1 1 0 7、源義親の乱。とかね!」


「明治維新って言ってるでしょ!平安じゃ無いですか。あとテストに出てこないでしょそんなマイナーな」


いいパイ1 1 8 1養和ようわ大飢饉だいききんはどうかしら?」


「ギリそれも平安時代……」


 いい何ちゃらってやつやめろ。基本平安時代になっちゃうから。ちなみにいい国1 1 9 2作ろう鎌倉幕府って言うけど鎌倉幕府は1185年からである。


シコシコ4 5 4 5世界一斉射事件はどう?私的には好みよ。」


「未来の話じゃねぇかそんな物騒な事件あってたまるか!」


「シャセイとは何でしょうか?」


 俺と凜城先輩のやばい会話に沢良木さんがツッコんでくる。


「あっえーっと、沢良木さんは別に知らなくてもいいんじゃないかなー?」


「誉君、教えてくれないんですか?」


 教えます。1から4545まで教えます。シ◯シ◯だけに。


「私がオブラートに包んで説明するわ」


「嫌な予感しかしねぇ」


 凜城先輩が沢良木さんに耳打ちをする。


「男子が〇〇になって、1人の女の子を使って、魔法陣を〇〇て、生贄に〇〇して、するとセッ〇スカリバーがレールガンになって、男の子がスッキリするの」


「魔法陣とか生贄とかレールガンとか絶対にいらなかった……」


「そうなんですね……分かりました……」


 沢良木さんが頷く。多分ですけど全然違いますよ。多分ですけど。


「沢良木さん。他にはいい語呂合わせありますか?」


「そうですね。ひとつやろうや1 8 6 8、明治維新。とかはどうですか?」


「良いですね」


いっぱいシ1 8 1 4ようや、パリ条約」


「テスト範囲なのが腹立つな」


 てか凜城先輩全部下ネタで覚えてんじゃねぇだろうな。その説濃厚。


イクイク1 9 1 9、パリ講和会議。は使えるわよ。昨年テストに出たもの」


「行く行くで良いでしょ」


「何か違いました?」


「ナニが違ったの?」


 凜城先輩と沢良木さんとじゃ全く意味が違って聞こえるのは何故だろう。


「もう歴史は良いです。理科ってなんかいい語呂合わせありません?生物とか覚えられないんですけど」


「いいのがあるわよ!エッチ(H)なリード(Li)でな(Na)く(K)。ルビ(Rb)と腰(Cs)ふる(Fr)」


「何ですかそれ。地獄ですね。何の語呂合わせかも分からないです」


「周期表の1番左の列の語呂合わせよ」


 いやわかんねーよ。とツッコミたいが、分からないからこそこれで覚えられるので文句は言えない。


「因みに左から2番目は、ベッド(Be)にもぐ(Mg)って彼(Ca)とする(Sr)バック(Ba)裸(Ra)よれ


「すごいです!バックラがよく分からないですがすごいです!」


 沢良木の言うとおりある意味すごいです。


「右から2番目はふっ(F)くら(Cl)ブラジャー(Br)、愛(I)の跡(At)よ。覚えておきなさい!」


「うわ、3列目から16列目まで抜けた。」


「全てを語呂合わせで覚えようとするなんて怠惰よ」


「そうですよ。楽できるとこは楽しても良いですけど正攻法が1番ですからね」


 美女2人に正論を叩きつけられて少し縮こまる。俺がだよ。チ〇コじゃないよ。


「確かにすいへーリーべー僕の船よりは分かりやすいですね。縦なのが面倒ですけど」


「そうなのよねー。また機会があったらみんなで考えてみましょうか」


 俺と沢良木さんいりますかそれ?アンタの独壇場じゃねぇか。


「ヒーローの綴りはエイチHエロe r o よね。ヒーローも欲求不満〇マ〇コなのかしら?」


「もう酷いな。色々と。でも確かにそうですね。zeroとかも……」

0アナ(ゼロ)とeroを掛けたのかしら?」


 絶対そんな頭使ってないだろ。逆に考えてやってたら怖すぎるし。


エラーerrorをローマ字読みしたらエロォーになるのはエラーよね」


「何言ってんだよマジで」


「誉君!私は現代文で負ける気は有りません!」


「えっ?あぁ、俺も負ける気ないです。」


 バチバチッと言った擬態語が鳴りそうである。俺だって勝負とは思ってないがやるからには本気でやるし本気でやったからには負けたくない。


「ねぇ〜私も混ぜてよぉ〜」


 凜城先輩を置いて、俺たちの戦いの雌豚ひぶたは、切って堕とされた!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る