チンアナ◯はモロ◯ンよね!

「行ってらっしゃいませー」


「イッてきまーす」


 ここは海関係の大学が運営する小さめの水族館である。資金の足しにするべく作られたとかで、クラゲなどの維持費が高い海中生物は展示されていないらしい。


「俺の五百円が……」


「いいじゃない。500円でデート出来るならお釣りが来るレベルよ」


 でも相手が凜城先輩だからなぁーとは口が裂けても言えなかった。割と凛城先輩自己評価高そうだし。


「見て!入り口に触手プレイ中のカクレクリノミが居るわ!」


「ツッコミどころ多いな!カクレクリノミってどれ?!」


 カクレクマノミがイソギンチャクとイチャイチャしているのを見て触手プレイと言える人はこの人だけだろう。


「あぁっ//もうっ//そこはダメっェ///私のヒレヒレがおかしくなっちゃう〜」


 何やってんだこの人。デートじゃなくてデッドだろこれ。ヒレヒレってなんだよ。多分ヒレのことだ。


 この先もクリノミ、じゃないや、クマノミに続き、熱帯魚ゾーンが続いている。


「こっちも凄いわ!みて!チイチモよ!」


「おい!絶対そんな奴いねぇ!」


 凜城先輩が黄色の魚を指差している。下に載っている説明欄には[キンセンイシモチ]と書かれてあった。当たらずとも遠からず感が腹立つ。チ◯チ◯は立たない。このネタやったな。


「クーリークーリだって!面白い名前ね」


「クーリーローチな。目どうなってんだ」


「クリって名前なのにチン◯みたいな形してるのね。」


「ちょっと細長いだけじゃん」


 この人にはちょっと細長い棒はなんでもチン◯に見えるのだろうか?それはそれで楽しそう。


 入り口から始まった熱帯魚ゾーンが終わり、次は大きな水槽にいろいろな魚が入っている場所に繋がる。


「みて!ハダカモミジがいるわ!」


「そんなわけないでしょ。今度はどこを変えたんですか……」


「本当の本当よ!マンコもマ◯ンコよ!」


 説明欄にはしっかりと[ハダカモミジ]と書かれていた。マジでいるのかよ。


「ヒトデって面白いわね。見て、カワテブクロとかバスケットスターとかあるわよ」


 説明欄には書かれているだけで、水槽のどこにいるかは分からないが、どちらもイチモ、じゃない。1文字も姿を変えることなく書かれてあった。


「ナカダメイタガレイなんて言う絶賛交尾中のカレイもいるのね」


「ナガレメイタガレイ……ほとんど変わってない…その才能他に活かせよ」


「オオクリイロナマコだって!大興奮よ!!」


「いろいろアウトだろ!「オオクリ」の部分いじくってないの卑猥すぎるでしょ」


「『クリの部分弄ってない』なんて…貴方、成長したわね」


 俺の成長どこに吸われちゃってんだよぉ〜

その後もナマコをほとんどナマコにしてやっと最終ステージへと駒を進めた。


 最後の部屋はこの水族館で飼えないであろう生物を一挙公開していた。ここでもツッコまないといけないのか。


「見て!ンコよ!ンコ!コレ食べれるんだって?!」


 凛城先輩はキンコと言うナマコに興味深々だ。チ◯コかマ◯コかどっちかにしてくれ。


「イボアナだって!」


「イボアナゴです」

ゾアワビよ!アァ〜ンッ」


「エゾアワビな」


 もう疲れたよ。でもまだまだ続くよ。


「ニュウボウイカよ!」


「ニュウドウイカな……」


「ヤリイカ!」


「それはヤリイカで合ってる」


 ここで一旦凜城先輩の攻撃が止む。ただ、じっとマンボウの説明欄を見ていた。やめてくれ。マンボウとか先っぽ2文字が下ネタなんだからなんでも出来るだろ。


「ヤリマンボウよ……感動したわ。本当に実在したなんて……」


「ヤリマンボウだよ。ヤリマン◯ボウなんてえげつねぇ生物実在しねぇよ」


「でもやっぱり超チンアンッ////コウっ//よね!」


「読みにくい読みにくい。チョウチンアンコウな。絶対やると思った。あと、チン……辞めておこう」


 凛城先輩は「それはオチに取っとくの」と言った後、「チョウチンアンコウって略したらチョウチ◯コよね」と発言し、隣の小学2年生ぐらいの子にめっちゃ引かれていた。


 俺たちは出口をくぐり、外の空気を吸った。入る前より明らかに体力が減っている。この回は流石にピッチを上げすぎた。ピッチどころかビッチだ。


「じゃあ最後のオチとイキましょうか!」


 多分チンアナゴはチン◯の方に伸びて行くんだろうなー。


「チンアナ◯!」


「まさかの穴の方かよ」


「当たり前じゃない。チンアナゴは穴から出ているのに」


「えっ?これオチ?!」

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