自己紹介で丸裸!

「こんちわー」


 なんでこんなにこの部屋の建て付け悪いねん。とエセ関西弁でツッコミたくなるレベルで開きにくいドアを開けると部室には美人が2人で喋っていた。


「えっ?それ本当?あっ」


 凛城先輩が俺を見てポカンと口を開ける。何の話をしていたのだろうか?俺は率直に聞いた。


「何の話をしてたんですか?」


「あっ、いやぁー、この子、まだオ◯◯ーしたことないらしいの」


 この子は沢良木さんを指しているのだろう。それ以外は何も考えないことにした。マジもうギリギリセーフとかじゃなく、顔面直球デッドボールだろ。因みに上の、◯◯にはが入ると思う?


「えっ?ちょっと、先輩……」


 沢良木さんは顔を赤らめて俯いた。何も知らない潔白の人なんだろうなきっと。


 ナニも知らないだなんて、上手いこと言うじゃない。


 俺の頭の中の凛城先輩が脳内で下ネタをぶっ込む。何だよ頭の中の凛城先輩って。もう戻れないとこまで入っちゃってるよ。


「そうそう、今日はね、こんなものを用意したの。テッテレー!自己紹介用紙!と言うことでみんなで今日はこれを書きましょう。それが終われば今日の部活は終わりです。みんなで帰りに食べ歩きでもしましょう」


 明らかに食べ歩きしたいだけな気がするが、自己紹介用紙で沢良木さんのことをもっと知れるのは大きい。因みに俺のチ◯コは小さい。何の話だよ。


「じゃあヤリ始めてねー」


 そう言って凛城先輩は鉛筆を握りしめて書き始めた。


[貴方の名前は?]


(書かなくて良いだろこんなん。)


 北川 誉


[チン長は?]


(2問目からコレかよ…)


168センチ※身長


[友達の数は?セ◯レも可]


(マジひどいな。主に最後の5文字。)


 7人ぐらい


[スリーサイズ 誉は好きな食べ物]


(雑だな。男女同じなの?それなら沢良木さんもチン長の質問あるのかな?何で答えたんだろ?)


 チョコレート


[好きなカップのサイズ]


(スーパカップが好きですね。はい。)


 カップルは爆発すべきです。


(もう真面目に答えるのやめよう)


[この小説のPVが減少していることに一言]


 大問題じゃねぇか。テコ入れの意味。


[好きな人はいますか?]


(まぁ、はい…)


 いいえ


 俺はとりあえず書き終わり視線を沢良木さんに向ける。はぁ、彼女ホチィ


 沢良木さんも書き終えると凛城先輩はすぐ立ち上がった。


「はい!早く勃起!勃起!食べ歩きするわよ!」


 あーもう隠す気ねぇな。頼むからちょっと控えてくれ。小学生かよ。何なら性知識がしっかりある分余計に酷い。


 そのまま俺たちは荷物を持って学校を出た。俺以外は地下鉄のようだが駅はその上なので一応方面は同じだ。


「ねぇ、貴方。何食べる?」


「前から思ってたんですけど貴方ってやめてくれません?どっちかわかんないんですよ」


 俺は質問に答えることなく願望を押し通した。


「じゃあ沢良木ちゃんが貴方で誉君はアナ◯ね」


「1文字変わっただけで酷い変わりようだ」


「1文字咥えたりするだけで世界は変わるものよ。チ◯コも咥えると変わるでしょ?」


「何が何に変わるんだよ」


「チ◯コがナニに変わるのよ」


 変わってるのは先輩の頭ですよ。と心の中で言う。


「たとえば電柱だって間に「マ」を入れれば電◯中になるでしょ?」


 凛城先輩は電柱を指差しながら言う。


「電話中の「話」を「マ」に変えれば電◯中になるじゃない」


 電ばっかじゃねぇか。と心の中で呟く。公然わいせつ罪になるかもしれないから言わないけどね。


「歩きスマホだって2文字変えれば歩きオナ◯よ?みんな自家発電中なのよ」


 何でこの人の下ネタは止まることがないんだ……ネタ切れ、もとい弾切れまで待つしかないか。


「マンホールなんて考えた人天才じゃない。日本語にしたら、男の穴よ。ケツの穴一択じゃない」


「確かに過ぎる」


 コレは流石に共感の嵐である。


「ロードは1文字変えればヌーになるし、パーキングエリアは2文字変えればスパンキングエリアよ」


「普段何考えて生活してるんですか…」


 曲がり角から可愛らしいミニチュアダックスとその飼い主である女子高生が曲がってきた。


「見て!ミニチン––––ムグッ……」


「絶対に言わせない。飼い主の前だけでは」


 俺は左手ですぐさま凛城先輩の口を押さえた。何とか通り過ぎるまでこの状態で止まっていた。が……飼い主とすれ違うと同時に凛城先輩の口を押さえている手のひらをぺろぺろし出した。


「えっ?はっ?気持ち悪っ!」


 俺はすぐさま手を引っ込めてズボンに涎を掠りつける。


「あーあ、通り過ぎちゃったじゃない」


「良かったじゃないですか」


 俺たちはそんなこんなで駅につきおわかれとなった。そして、電車に乗り、座席に座ったところで思い出した。食べ歩きしてねぇーじゃねぇか!


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