第238話 学校に行くと皆が昇格を祝ってくれた
学校に行くとみのりがデデデと寄ってきた。
「タカシくんタカシくん、みんながお祝いをしてくれるって」
「お?」
黒板を見ると大きく『Dリンクス、Cクラス昇格おめでとう!!』と書いてあった。
うわ、なんだか嬉しいな。
顔がほころぶよ。
「いやあ、早いねえ新宮くん、この前Dクラスになったばかりなのに」
「臨海第三高校一の配信冒険者パーティになったのよね」
「全国の高校生パーティでも有数だぜっ、すげえよっ」
みんなに全力でわっしょいわっしょいされて嬉しいが気恥ずかしい。
「おうっ、【
「そうだそうだ、おまえらばっかバカバカレアレア出して不公平だっ」
また『ダーティペア』が絡んできた。
「おまえらのとこ『
「い、いねえけどようっ」
「あたいが成るか『
姫川は『
今日は東海林が静かだなと思ったら、なんか後ろの方で挙動不審になっていた。
「おはよう東海林」
「お、おはよう新宮、その、ええとだな」
「【
「そ、そうだよなあっ! 自パーティで必要だしなっ、うん、それが良いそれが良い」
もしも【
「『オーバーザレインボー』はタカシに物貰いすぎだっ、お前すげえ魔法もらったろっ」
「そうだそうだっ、反省しろっ」
「あ、うん【ドラゴンファイヤー】は破格だからな、これ以上はたしかに悪い、反省する」
ダーティペアの頭上にゴンゴンと拳骨が降った。
「おまえらが反省しろ、なんで毎朝タカシに絡んでんだよっ」
後ろから現れたのは後醍醐先輩であった。
「え、だって~、先輩っ、五階じゃろくなもん出ないしっ」
「ムカデが、きめー上に飴とかだすんすよっ」
「しょうがねえだろう低層なんだから」
俺はその隙に自分の席に着いた。
みのりが吉田の席に、東海林とマリちゃんが椅子をもってやってきた。
「ついに『Dリンクス』はC級かあ、早いよなあ」
「鏡子ねえさんが居ますからね」
「三十五階を突破すりゃあ、おまえ、高校生パーティ日本一の『たこ焼き一番』を抜くぜ、日本一だ」
「というか、五十階までノンストップで行けそうじゃないか?」
「どうだろうな、今の所あまり苦戦はしてないな」
「おかあさまも最近見て無いわよねえ、会いたいのに」
「昨日会ったろ」
「そう言えばそうでした」
昨日は俺の部屋で焼肉パーティだったのでかーちゃんも呼んだのだ。
「まだ余力があるからすげえよなあ、あとは僧侶かあ」
「高校生中心のパーティだから、大人を入れても難ですしね」
「難しい所だよなあ、竹宮先生入れても何だしよ」
『
割と重装備で鈍器を使えるのでサブ前衛にもなる。
「メンバ~探しは縁なのよ~~♪ 思わぬ所からひょこっと出てくるの~~♪」
また歌いながらチヨリ先輩が後ろのドアから入って来た。
「おはようございまーすっ」
「おはようみのりさん、おほほっ」
「芸能界は挨拶厳しいんですね」
マリちゃんが目を丸くして言った。
まあ、みのりは育ちが良いからな。
「うちの芸能パーティも僧侶があまり居なくて困ってますの、バードは売るほどおりますけれども」
「どこでも僧侶不足は一緒か」
「バード二枚で回復の歌を掛け合いながら行ってるパーティもいましてよ」
それはまたうるさそうなパーティだな。
「それはそうと、くつしたくん、社長がケモノアイドルとしてデビューさせたいって言っていましたわよ」
「なんでもアイドルにしようとしないでくださいよ」
高橋社長は山っ気がありすぎるな。
「わあ、くつしたと一緒に歌いたい~~」
「良いですわよねえ~~」
チヨリ先輩はうっとりとした目をして宙をみつめた。
チアキが嫌がりそうだな。
「それはそうと、くそりっちょんが喧嘩売って来たそうですわね」
「ははは、りっちょんと先輩は仲が悪いんですか?」
「ビーイングプロモーションの所属タレントはゴミばっかりですわよ。本当に教育が成ってないというか」
そうだったのか。
ブルドック社長は評判悪いのだな。
「りっちょんは芸能界復帰したんですか?」
「ええ、サイボーグ『
なんだ、仕事をしているなら身柄を押さえられそうなものだけどな。
日本政府と『チャーミーハニー』は何をやってるのやら。
「ライブで何か騒ぎを起こすとか聞きましたわ、本当に厄介な」
外界では装備をちゃんとしてないからなあ、攻撃に対して一拍遅れる感じがする。
「あっ! ライブにくつしたを出して守ってもらおうよっ」
「それはナイスアイデアですわ~、私もモフモフしたいですわ~~」
「くつしたがステージに居れば対応が早いね」
「俺ら『迷宮ぶっ潰し隊』も客席に居るからよ、何かの時には呼べや」
「頼りにしてますよ、後醍醐先輩」
みのりが立ち上がった。
「よし、今日のレッスンはくつしたを連れて行こうっ」
そこへ先生が入って来た。
「おーう、峰屋は座れ~、後醍醐と北村は自分のクラスに帰れ~~」
「はーい」
「へーい」
「わかりましてよ」
さて、今日も授業が始まった。
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