第233話 フロアボス前で昼食を取る
ちょろちょろとフラッシュネズミが来て、閃光を発する。
MIYAAAAAN!
オセロットが三匹現れて俺達に襲いかかった。
バキューン!!
ダキュンダキュンダキュン!
鉄砲組の乱射で一匹が倒れた。
ねえさんがオセロットを空中に蹴り上げて空中で頭部を掴み、床にたたきつけて倒した。
俺の前に来たオセロットの牙を『浦波』で防いで喉を『暁』で切り裂く。
くつしたが大きな口でフラッシュネズミをかみ砕いて、お終いである。
敏捷型の敵は体力が無いから楽だね。
ここで敵のもろさに慣れると、フロアボスのミノタウロスのタフネスで苦戦するという戦法だろう。
いろいろ考えているな。
魔物たちが粒子になって消え、魔力霧が出て、魔石とドロップ品が落ちる。
猫耳カチューシャ(敏捷+3)、目薬(サンテU)、ヒョウ柄セーターが出た。
「セーター、かーちゃんが喜びそう」
「異世界には物を持って行けないらしいからなあ」
猫耳カチューシャは鏡子ねえさんが黙って付けた。
なにげに似合っているな。
『猫耳鏡子さん』
『煙草が似合うかも』
『下品なマンガの話はやめるんだ』
「私も、みのり姉ちゃんも、帽子かぶっているからなあ」
「猫耳、すこし惹かれる物があるねえ」
みのりは装甲があって、歌唱バフも付く『吟遊詩人の帽子』を着けているし、チアキはマイケルから貰ったカーボーイハットを被っているからな。
そんな感じで、狩りをしながら歩いて行く。
トンボメガネさまさまだ。
この後、オセロットの群れと、襟巻きトカゲの群れを倒して、下り階段に付いた。
ドロップ品は、猫のマグカップとオセロットぬいぐるみ、トカゲ外套が出た。
トカゲ外套は水攻撃抵抗があって、しかも防水、レインコートになる一品だが、トカゲ柄である。
雨の日にでも着よう。
階段を下りて、休まないで進む。
フロアボス近くの安全地帯でお昼ご飯兼大休止をしよう。
三十階到達である。
黒い岩壁は変わらないが、通路が広くなった感じだな。
「前方に牛男、三」
牛男はワーオックスといって牛の獣人だ。
ミノタウロスよりも二回り小さい。
だが、斧を持った馬鹿力系モンスターだな。
バキューン!!
ダキュンダキュンダキュン!
鉄砲組の集中攻撃で、一体が倒れた。
遠距離で数を減らせるのはありがたいね。
「『ぐるぐるぐるぐる♪ おまわりおまわりなさい~~♪ 空も地面もぐーるぐる♪ 足下ぐらぐら気を付けて~~♪』」
二本足には【ぐるぐるの歌】だ、思いもよらない平衡感覚の狂いで残りの二体も膝を突く。
そこへ、鏡子ねえさんが襲いかかった。
アッパー気味に顎下からかち上げた。
どごんっ!
鈍い音がして後頭部が破裂したようになった。
[楔]の効果はえげつないな。
残った一匹も慌てて斧を振り上げるが、【ぐるぐるの歌】の影響で後ろに倒れた。
俺は首筋に『暁』を走らせた、血が噴水のように噴き出す、体をねじって避けた。
牛男たちは床に倒れて動かなくなった。
「二本足は【ぐるぐるの歌】が、良く効くな」
「歌がかかっていても平気で動けるねえさんがいるからね」
「タカシも早くスキルを生やせ」
「そうだね」
軽戦士はわりと、【平衡感覚】とかの体捌き系は生えやすい。
あとは【受け流し】とかのテクニカルな技も生えやすいね。
牛男が粒子になって消え、魔力霧が出て、魔石とドロップ品が落ちる。
「お、牛肉出た、今夜はタカシの部屋で焼肉しようか」
「カブト焼きもでたしね、良いかも」
ドロップ品は、牛肉の包み、牛柄パジャマ、特濃牛乳一リットルパックであった。
「チョレギとキムチも出してくれれば良いのに」
「買って帰れば良いと思うよ」
少し行くとボスフロアフィールドになっていて、近くに安全地帯があった。
水場もあるな。
収納袋からレジャーシートを出して、そこに座り、各人のお弁当を出して配った。
「あ、くつしたのお弁当を忘れた」
「バウバウッ」
酷いよ、という感じに吠えられた。
さっき、出た牛肉と牛乳はあるのだが、食べるだろうか。
「というか、くつした、お前、何か食べるのか?」
「ばうう?」
「あんパン食べてたな」
「クワガタ煎餅も食べてた」
「ドックフードは食べるのか」
くつしたは首をブンブン横に振った。
「カブト焼きは食べるか?」
「ばううん?」
あまり食べたくなさそうだな。
犬にはチョコをやったりタマネギをやったりしたらいけないそうなのだが、ケロベロスは何か食べさせてはいけない物があるのだろうか。
『従魔は魔力で動いておるから、基本的になにも喰わなくてもよいのじゃ、あと、人の食べる物も大体平気じゃぞ』
レグルス陛下はロビーでお菓子をむしゃむしゃ食ってたしな。
あの人は竜だから解らないけど。
「くつした、一緒に食べようよ」
「ばうばう」
うん、チアキと一緒にお弁当を食べれば良いかな。
今度はくつした用のお弁当も忘れないで買っておこう。
くつしたはチアキにシウマイを貰って尻尾を振っていた。
俺のマグロの焼いた奴も半分あげよう。
芋羊羹とか食べるかな。
泥舟が携帯用ヤカンをコンロに掛けてお湯を沸かしてお茶を入れてくれた。
暖かいお茶とお弁当はほっとするね。
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