禁忌門編
第47話 最強の殺し屋クロは、禁忌門へ潜入する
「ふぁ~あ、別にこんな洞窟でも快適に寝れるな」
俺は昨日は早めに寝て今さっきこの瞬間に目を覚ました。ひとまず周りを確認しても変な場所もおかしな空気も見当たらない。もうここは安全地帯だなとそう思った。
「じゃあ今日はお目当ての禁忌門の内部に潜入するか!」
正直この時の俺は楽しさや興味本位などで注意力をおろそかにしていた。そう禁忌門は古から伝わるこの世で一番危険とされている場所だったことに……。
「これはどう開ければいいんだ?」
俺は赤く大きな禁忌門をバシバシと叩いていた。俺は自分が使える技の一つである《ライト》であたりを明るくした。そうしたら禁忌門の壁面に何か見たことも無いような文字が浮かび出てきた。
「なになに、これは古代文字だな?」
俺は少し古代文字の心得を持っているため、禁忌門の文字はすんなり読めた。そして禁忌門の指示通り己が出せる最大限の力を我に与えろという任務もこのクロならすんなりと行けそうだな。
「じゃあ行くか! 《
俺は今自分が出せるフルパワーの力を赤き禁忌門に与えた。すると周りには地響きが鳴り響き、ゴォーゴォーと轟音も鳴っている。
「なにが起きたんだ?」
その問いに返事をするかのように禁忌門がなぜか喋り出した。
「お前が今回の挑戦者か……」
「それがどうした?」
「ははは。お前の力は我が受け取った」
「さて入場を許可しよう。だがくれぐれも自分の力を信じるなよ」
「どういうことだ!!」
俺が返答を返した時にはもう禁忌門はしゃべらなくなっていた。俺はそのまま禁忌門をくぐり抜けた。一時暗闇が続くと奥から光が差し込み俺は走ってその光の光源まで向かった。
「なんだここは……周りが石の壁で出来ていて何かおかしい雰囲気がする」
「ぐるぅぐるぅううう」
「なんだ!!」
俺が混乱していると後方からオオカミみたいな鳴き声がした。俺はひとまず襲われないようにオオカミを発勁で叩き切ると思ったが。
「え……効いていない……」
なんと俺の発勁が全く効いていなかった。これは誤算だし考えてもいなかった。この打撃が効かないと言うことはこの禁忌門の内部はこの世には存在しない何かなのか?。
今の俺ではそれしか想像できなかった……。
「でもこの世には存在しない何か? 実在しないが魂はある?」
俺はひらめいた。
「これでおそらく大丈夫だな!!《チェーンブレイク》」
「クぅ~」
予想通りだった。この肉体は現実では存在しない何かだったそれと魂はこの世に存在する。それならば心臓など魂ごと消し去る魔術を使えばここの化け物を殺せる。これは良い名案だ。
一方○○では……。
「おいあいつが禁忌門に入ったとの情報が出た、お前はどうするんだ?」
「えへへ、私は何でもいいよ~。ただ強い者との間に生まれる子に興味があるだけだからね~」
「まったくお前は……あいつを全く警戒していないんだな……。セルネスタ……」
「でもね隊長さん~私も少しは気にしているんだよ?」
「はぁ~全くこの女は……さすが禁忌で生まれただけあるな……」
「えへへ」
裏で動きがあるってのに俺は禁忌門を探索している。俺は大きな石壁に手を置きながら前へ前へ進んでいく。正直心身共におかしくなりそうだった。今歩いて探索している俺が俺じゃなかったらもうとっくに心を支配されていてもおかしくない。
「でも結構歩いたけど……いや進展はある。前に扉が……」
レイの目の前に突如現れた青い扉は何かを放出しそうな雰囲気だった。でもその正体が何かが分からない。本でも見たこともない。でも今にも何かを吐き出そうとしているのが分かる。
「もう無理だ!!」
扉が突如しゃべり何かを吐き出した……。それは白髪ロングの可愛らしい女の子だった。その時の俺はその女の子をかばうために飛び出してキャッチした。
「スゥーハァースゥーハァー」
「寝息なのか?」
「ムニャムニャ……」
「まぁ良いか一回拠点に戻り寝かせるか……」
俺はその場の判断で禁忌門を出たすぐの拠点にその女の子を持ち帰った。そして一時すると熟睡していた女の子が目をうっすらと開く。
「おい、お前大丈夫か?」
「ムニャ……どこだここは?」
「名前言えるか?」
「我の?」
「そうだ」
「ってお前は誰なのだ?!?!?」
「いや今更かよ!!! でもまあ混乱してもおかしくないか……。自分の名前言えるか?」
少女はその紅い目をキラキラと光らせて自分の名前を言う。
「我はセルメナだ!!」
「お! セルメナかよろしく!!」
「お前は……レイだな! よろしく!!」
俺は名前を言っていないのになぜかセルメナに名前が伝わっていた。俺はここで何かおかしいと察した。この謎の少女は何なのか。そして青色の扉の正体そして俺が目指している石像この世界の裏側全てが気になった。
「そうだ……俺は師匠の死因を早く調べなければ……」
そう俺は思った。だがもう地上でも何かが動いていた……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます