番外編 ―青の日常―
これはすまない。いつもはレイが中心にこの話が進むもんで今回俺の回があること自体を忘れていた。
みんなも知っている通り俺は裏ギルド最強の組織【六色光】に所属している青ことミルだ。俺は基本的に隠密をして情報を探ることをメインとして動いている。はっきり言ってメインで戦闘を生業としているミレイユやレイとは方向性が違うな。
「ミレイユ少し特訓に付き合ってくれないか?」
「おぉ。ミルが俺を指そうなんてな」
そうメインで戦っているわけではないから、少し経つと戦力が落ちてしまうためこうしてオフの日は誰かと特訓している。
「どこでやる?」
「うむ、そうだな。地下訓練場を借りるか」
そうして俺は地下訓練場を狩りてミレイユと戦うことになった。
「では両者ともども準備はよいでしょうか?」
「いいぞ」
「完璧だ……」
「ではスタート!!!」
コングがなる。ミレイユの戦い方は一気に距離を詰めて相手を破壊する方法を採用している。だがなミレイユそれは俺には効かないんだよ。
「いくぞミル!! 《ガイアズハント》」
ミレイユは拳にオレンジ色の覇気を纏わせてミルに猛スピードで近づく。だがミルは先に手を打っていた。
「おーっと危ない危ない……。ミルは急に仕掛けてくるからな~」
「これに気が付くとはさすが赤だな」
「まかせとけ!!」
これは俺があいつよりか先に手を打っていたハードワイヤーと言う攻撃法だ。名前通りなら固いワイヤーというだけだが。このワイヤーは固い上に鋭く簡単に首を落とせてしまう。
「ミルのワイヤー怖いからな……。だがこれはどうだ!!」
「ならこれだ!!」
ミルの周囲に透明に近い薄いワイヤーが張り巡らされていた、その速度は人間の域を超えていた。さらにこのワイヤーは毒を塗ってある。触るだけでも致死量だ。
「小細工はこの俺には効かないぞ!! 《ライオンキング》」
ミレイユはライオンキングを発動して数え切れないほどのワイヤーの領域を堂々と真正面から歩いてちぎっていく。毒も効いている様子もない。これはまずい……。
「《ガイアズハント》」
「グッ!!!」
俺はミレイユの一撃をもろに腹に受けてしまい吹き飛ばされた。これはヤバイ体が動くことを拒んでいる。だが動かないとミレイユがこっちに向かってくる……。仕方がないな……。
「ミレイユ先に謝る……。ごめんな! 《アナザーアイ》」
ミレイユは髪で隠れていた目を出すために髪を上に持ち上げた。その目はとても綺麗な金色の瞳でそれは周りの物を無の空間に閉じ込める恐怖を覚えた。
一方ミレイユも同様に体が全く動く様子が無い。だが意志はあるってことはミルの隠された魔眼のせいだろう。これは決着がついた。
「いやぁ~ミルの魔眼は強すぎるよな」
ミレイユは汗をメイドが用意したタオルで汗を拭いながら本当に疲れた声でそう言う。
「ミルってメイン戦闘に入ってもいいんじゃないか?」
「それはできないな。俺はあくまでも隠密が得意であまり体力もない。それと……ミレイユみたいな強靭な肉体も生憎持ち合わせていないからな」
俺はそこを冷静に断った。
「じゃあさ、ミルの魔眼もいつから手に入れたんだ?」
「それはな……。話していたら時間が無くなるからまた今度な」
「分かったよ。じゃあ今度聞かせてな!」
こうして俺の日常は終わる。今回の対戦相手はミレイユだったがレイの場合もある。その時の話も次に出る機会があれば話すことにしよう。
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