第37話 最強の殺し屋クロは、案内をする3
「じゃあなリリー」
「レイちゃんまったね~。そしてミシェラちゃんとエリスちゃんもまた遊びきてね」
「分かりました! また遊びきます!」
「私もその時は!」
正直こいつらはリリーの部隊に配属されるかとその時は思った。自分からあの地獄を選ぶのはライオンハートではないと務まらない。そんなこんなありながら俺たちはこの施設を出てすぐ左のさらに地下深くに続く階段を下りて行った。
「二人とも次の施設なんだけどね、上の収容所と連携していてある程度の捕虜や罪人をここの施設で有能に使っている」
「ってことは?」
「それって……」
「まぁ、見てろ」
レイは六色光大本部の最深で六色光の完全セキュリティーや完全防衛さらに次世代の研究をしている研究所に着いた。
「六色光のクロだ、ゲートを開いてくれ」
流石完全セキュリティーで完全防衛が可能となっている施設だ、それだけ言っているわけは今までのドアやゲート、門などは合金と言われる硬い鉄で作られていたがこの研究所のゲートは粒子ゲートとなっている。監視状態で触れる者がいたら、たちまち自分の体が粒子となるほどの代物だ。
「粒子ゲートって実在したんだ……」
「私も禁書でしか見たことないですよ……」
「お前ら、驚くのはまだ早い」
レイ達はそのままゲートをくぐって中に入る。中はまだ一直線の通路だった。床も粒子素体の塊で出来ているのでいつでも形を変えれる。
粒子素体とは細かな粒子の物質で許可をした者にはその人の意志を粒子が読み取り好きな形に即座に変換してくれる。
「見ててね、防衛――」
長い通路が瞬時に防衛体勢に切り替わる、粒子タレットや粒子レーザーこの世は全てこの粒子が元になっているため普通の兵器では太刀打ちできない。
「じゃあ次は移動――」
そうすると指定した三人の立っている地面が動きだし目的地である研究所に向かって行った。
「これはもう次元を超えていますね……」
「もう何も驚かないわ」
粒子通路を乗っていると急に脳内で声のような者が聞こえた。
「あれ僕の研究所に足を踏み入れる者は誰ですか? 門番は何をしてるのだろう?」
ミシェラとエリスはおびえていた。あのリリーの仕事を見た二人がこれごときにおびえるのは明らかにおかしい。そこで俺は考えた、おそらくリキッドの脳内操作だろう。
リキッドは六色光の黄を担当していて、極限化深淵化ともに普通に使える。そしてこのリキッドの見た目は少年みたいな幼い姿なのだが中身は俺より年上だ。リキッドは基本、研究室にこもっており新しい兵器や新しい物質を見つけるのに専念している。
でだ、この脳内操作はその者にとって一番となる恐怖を相手の脳内に送り続けると言った能力だ。このままだと二人が壊れると思った俺はすぐさま強制解除を行う。
「リキッド大丈夫だ。この二人は先ほど見せた無色だ」
「そうだったんですね。それは失礼しました。少し前僕の研究所に侵入した愚か者がいましたので警戒態勢を少し上げていました」
そういうリキッドはエリスとミシェラに顔を近づけて謝る。心なしかなんかエリスの顔が赤らめていた。もしかしてこいつリキッドの顔が以外だったか……?
「お前リキッドの事好きなのか?」
「違うわよ! 女の子は異性に顔を近づけたら赤くなるの!」
こんな事を言っているエリスに俺は顔を近づけた。
「馬鹿!!」
殴られた、本当だったみたいだ。
もうその頃にはリキッドはいなかった。ちなみにだが先ほど現れたリキッドは偽物だ。エリスとミシェラは気が付いてないのだがこれも完璧な粒子素体だ。
少し進むと大きな近未来なゲートが出てきたそのゲートは別に普通の一般的なゲートだ。
「おお、来ましたね。僕が黄のリキッドです」
「あ、初めましてミシェラです」
「エリスです」
「もう済んだか? リキッドここの研究はどのような感じなのだ?」
「そうですね。この前レイさんから頼まれていた粒子覚醒体からできた銃の開発なんだけど、それがもうじきできると思われます」
このリキッドが言っている粒子覚醒体と言うのはいわば粒子素体の完全上位互換だ。そしてこの銃ができたら俺は本当の最強という形になる。今のままではまだ俺は不十分だ。
「みんな、こっちに来てください。ここは人体実験を主にしている場所です」
「人体実験?」
「なにを?」
リキッドは見た目によらずかなりの人体実験中毒者だ。ないかあれば実験。ほかの生き物とのキメラ結合や、人体改造。俺からはっきり言わせてもらうとかなりの壊れ物だ。
「エリスとミシェラ。リキッドはリリーが拷問好きなのに対してリキッドはかなり人体実験好きだ。お前らも気を付けろな」
「わ、分かったわ」
「分かりました……」
俺たちの大本部見学はまだまだ続くのであった。
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