第36話 最強の殺し屋クロは、案内をする2
六色光大本部地下深くに設置されている収容所のさらに奥に進むと金属製のゲートが構えている。そこの前には重装備を身に着けた監視員が丸一日監視している。俺たちはその場所へ足を運んだ。
「みんな、ここからはかなりショッキングなものが見れる。もし見たくなければここで待っててくれ、正直俺もいく気にはならない」
「エリスさんは行くのですか? 私は殺し屋になるためにぜひ見たいと思います」
「え、私は……そうね。いく……い……行くわ!!」
「無理すんなよエリス……」
俺は気づいた、エリスはたぶんショッキングが苦手だと、こいつは強がっている。俺は何回かここに来た事あるのだが……いまだになれないな。そんな俺たちは監視員にゲートを開くように指示を出した。
ゴゴゴゴゴと大きな音を立てながらゆっくりと開いていく、この音は耳に結構響くゲートが最後までガシャンと開ききると俺はその足を一歩前に出してその場から歩きだした。ここの通路はとても長く幅はそこまで広くない。その理由も簡単で、もし逃げ出しても攻撃を避ける場所もないし距離が長いから簡単に捕まえるためにこの設計にしているらしい。
「レイさん、ここはどのような場所なのでしょう?」
何も知らないミシェラたちが俺に聞く。
「まぁ、このあたりではピンクの秘密基地と言われている」
『ピンクの秘密基地?』
「リリーさんの部屋ってこと?」
「まぁ、そんな感じだけど……。誰にでも分かるように説明すると俗にいう取り調べ部屋だな」
「なるほどです」
「でもなんでレイはこの場所に行きたがらないの?」
そんなエリスの質問に俺はついてこいと言わんばかりに一つ一つ部屋を案内した。手前から数百のも部屋がありそれは一つ一つ例外なく個室だ。そしてこの施設の最奥に設置されている異様な部屋こそがピンクの部屋と言われている場所だ。
「エリスとミシェラ。本当に無理をするなよ、ちなみにいま取り調べをしている最中だ」
「分かりました」
「分かったわ」
俺は異質なドアを両手で開ける。もうここからは地獄だ悲鳴が耳に響く。この声を聴いて二人も少し顔色が変わった。
「何も……何も……ギャーーー!!!!!!!!」
奥から微かに聞こえるこの声はたぶん表ギルドの刺客だろう、先日六色光の傘下の基地に表ギルドが急に攻撃を仕掛けてそれを返り打ちにしたときにさらった捕虜だ。まぁ捕虜にかける慈悲は無いとしてもリリーに尋問されるのは俺も同情してしまうな。
そしてその声がなる部屋のドアが開きその中からリリーが出てきた。
「レイちゃん!! ここに来てくれたんだ!」
「まぁな、一応ここも施設だからな」
「レイちゃんってや・さ・し・い・ね」
「うるさい」
リリーは少しレイをおちょくった後にエリスとミシェラの方に向いて一つ聞いた。
「エリスちゃんとミシェラちゃんだよね? もしよかったら取り調べ見てみる?」
(これまずい。あいつの取り調べはけた違いにヤバイ。二人みれるかな?)
「見てみたいです!」
「み、みましょう!」
「よし来た! かもん!!」
二人が見たいなら俺は止めはしないが本当に大丈夫なのだろうか。リリーの後に続くとドアが何層にもつながっていて、かなり厳重に隔離されていた。そしてさっき悲鳴が聞こえたあの部屋まできた。
「ここが取り調べ室だよ~」
「割と綺麗ね」
「でも……この床の血が……」
「ごめんね~。この男の血なのよ……。早く居場所を言わないからこんなに血がね」
そしてリリーは「こんなに血がね」と言ったタイミングで男の腕をナイフで切る。そしてまた悲鳴が鳴り響き血があふれる。でも表ギルドも裏ギルドも共通な事があり、ナイフごとき斬られても声一つ上げないことだ。なのにリリーのナイフにはみんなが悲鳴を上げる。
「でこいつは人間の苦しい事を全て熟知してて今のは腕の神経が集まった場所を斬ったというわけだ」
「さすが……」
「さすがです……」
知っていたこのような反応になるのは、俺もこの光景に慣れていないのだからしょうがない。ここだけの話このリリーに嘘は通じない。それはこいつの能力の一つである【真実の目】が関係していてこの目が光っている限る真実と虚偽を判別できるようになる。
リリーは基本、正直に答えたらそれ以上は危害を与えないのだが……いや、その日の気分なのだが、まぁこの男の場合は嘘を言っているのだと俺は分かった
俺自身、表ギルドの存在や構成員が嫌いだからここで十分以上に苦しんで死んでほしいそう俺は願う。
「もう大丈夫か二人とも?」
「うん、私は大丈夫よ」
「私もかなり楽しめました」
まさかエリスはともかくミシェラはこんな残虐性には耐性があったのは初耳だ。だがこれでもこの施設はまだ全部紹介しきれていない。そして次の場所である県きゅゆ所に三人は足を運ぶことになるのであった。
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