第13話 最強の殺し屋クロは、予選に参加するⅠ
窓から静かな風でレイの髪を動かすのどかな日常は突如変わった。それは今レイの真横にいる女のせいだ。
「レイ早く考えてね!」
「はーい」
こんなにだるそうにしているレイの経緯を話そう。ことは1時間前……。レイの前に一つのチラシを持った金髪の少女がそこには立っていた。やべぇ嫌な予感がすると思った矢先にやはり勘は当たっていた。
「ほらレイ! こないだ教官が話していたダブルスグランプリの【ドミニオン】の参加資格を手に入れるために予選があるらしいの!」
俺は出ないよと言ったがこの女はそれでも誘ってくる。
「めんどい。だるい」
レイはめんどくさい言葉連撃をしたがそれを軽く受け流すエリスの神業が連発した。こやつやるなとレイは思いながら渋々参加することにしたが。
(軽く負けて離脱しよう……)
数週間後……。
{さて! 始まりました! ドミニオンに参加する資格を手にするものは一体誰になるのでしょうか!!}
凄い歓声と人混みの中レイは控室にエリスといた。これがかなりきついのだ。なんか隣の女は怖いし、なんか恐ろしい。
「エリスどうしたの?」
「うるさい」
「なんで」
「うるさい」
「なんで」
「はぁ~」
エリスはしつこく聞かれてあきらめたのだろうレイにイライラしている理由を教えてあげた。だがそれもまた意外だった。
「あなたよ」
「なんで俺?」
まさか俺が予選でわざと負けると思っているのがばれたのかと思ったが別に俺は他の人に言ってないしなんでだろう。そう思ったさだかエリスが口を開ける。
「あなたわざと負けるつもりでしょ?」
終わった、本当に終わった。まさかイライラしている理由がレイが原因だったなんてどうしよう。レイは考えた。
「エリス少し話をしよう」
「なによ?」
「俺は昔、過酷な場所で暮らしていた。血が絶えなく血を狩らなくてはならないそんなところだ。いつ死ぬか分からないし殺すかもしれないそんな環境で暮らしていたせいかある病気を持ったそれが静かだ」
俺はエリスに俺の過去とは違うがめちゃくちゃ丸めて話した。そして俺はエリスに予選絶対に勝つと誓った。
「よかったは、ちゃんとレイがやってくれるって」
「ほらエリスもうすぐ第一回戦が始まるよ」
俺達は二人で一回戦の試合を見た。
{第一回戦目は魔法科一年のリスタと同じく一年シスタの姉妹コンビ!!!}
{そして対するは、武闘科一年のケンドと二年のビルクライム!!}
魔術分野の奴と武闘科の奴と対戦するんだな。と思いどちらが勝つか予想した。もちろんレイは魔術の方に軍配が上がると思った。案の定当たっていた。
そして俺たちの試合がもうすぐ始まる。
「レイ行くわよ」
「へーい」
そして始まった。
{右から出てくるのは! 武術科二年のエースパラフィックと諜報科二年の同じくエースのリレイコンビ!!}
{二年のエースを相手にするのは学園でも名高い学園ランキング5位のエリス・ラーモンドそして。突如学園に現れたダークホース、同じくエリス様と同じ総合科一年のレイ!!}
紹介が終わった。そして俺達はステージにでる。相手は二年のエースだとかべつにそんなことは俺には関係ないのだが……。そしてレイたちの目の前に現れたのはいかにも体格がごつい男が二人そこにはいた。
「お前がエリスさんとタッグのレイか」
「お前がエリスさんと組むとかエリスさんが可哀そうだ」
「へぇ~そうなんだ。俺には分からない」
「ちょっとそこの男。レイはこう見えて強いのよ! 負けたらどうするの!」
「負けることないから大丈夫だ」
戦い前の謎の雑談が終わり。それと同時に開始のゴングがスタジアム内に鳴り渡る。最初に先制攻撃をしたのはパラフィックだった。自身の持つ馬鹿時からレイの頭上から地面にかけてパンチを放つ。レイはそれを避けるがそのパンチが当たった地面は丸くへこんでいた。
(馬鹿力ぱねぇ~)
「ほらレイ突っ立っているんじゃないよ!」
「了解」
エリスはパシフィックに向けて攻撃を仕掛ける。
「パシフィックリタイヤしてね。光の刃……的を射ぬけ《ホーリーランス》」
エリスの魔剣の先端から神々しく光っている光の刃が無数に表れた。それをパシフィックに打ち込む。パシフィックは走ったそのホーリーランスを全てかわした。流石エースだな。
「ばいばい」
そんな声がレイの後方から聞こえた。もちろんこいつが移動していることは最初から分かっていた。だってこいつ諜報科だもん。俺はリレイが振りかざしたナイフをフリールックで弾いた。
「はぁ~リレイ先輩。人を無力化するには最短の行動ですよ」
俺はそれだけを言い、カウンターの発勁でリレイを透明な壁ギリギリまで吹き飛ばす。その距離約200m。これには歓声が大きく上がる、それと横で目をパチパチと開いて驚いている。
なんか相手二人のエースはレイを集中して攻撃するらしい。
「(はぁ~別に変わらないのに)」
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