第12話 最強の殺し屋クロは、課外任務を遂行する
作戦開始から5分が経ち、大きな鉄柵の門の前に門番騎士二人と、アクセをチャラチャラつけたチャラ男の姿が見えた。
「お前とまれ!」
「何者だ!」
もちろん騎士たちはテンプレみたいな事を言う。だがチャラ男は歩みを止めない。さらにチャラ男ことシシルは何かを言っている。
「死が呼ぶ匂いは蜜の味がするんだよねぇ~」
「お前止まれ!」
「おい! 誰かベルをな――」
血が出ないように殺すシシル、それを隣で見ていたもうひとりの騎士は剣を構えてシシルに斬りかかろうとする。
「……部分強化【指】」
シシルはそう言うと指を振り下ろされる剣の軌道上に指をおく、もちろん剣は指に当たるが、振り落とされた剣はバキバキに折れた。
「うそ、だろ」
「ふふん~。じゃあね」
門の騎士は死んだ。そのままシシルは敷地内に入っていく。
別行動しているレイはもう敵陣の敷地内に侵入している。静かなる死神と言われるのも納得だ、敷地内にいる騎士たちをたった一人で静かに全員殺している。レイの銃は特殊でサプレッサーにサプレッサーを重ね二十構造になっている。
そのおかげでどんな爆音の銃声が本当に無に感じるほど消音されている。
俺は任務を失敗しない。たとえそれが高難易度任務でも同じだ。ピシュンピシュン……簡単だ。
銃声が何個も鳴る。広場には死体の山があった、そしてそこに合流したのは別で動いていたシシルだ。
「うわ~先輩凄いですね、こんな人数を一人で……」
「行くぞ」
「へい」
俺の殺しスタイルは、狙ったターゲットと共に周りの人間も殺すと言ったところだ。普通一般的な殺し屋ならターゲットのみを排除してそのまま帰還というふうにやっても良いのだがこれじゃ追手が来た際に面倒が増える。だから俺は先に殺しておく。
「先輩では自分こっち行くんでターゲットお願いします」
「ああ」
また離れた。そして長い廊下を一人歩くレイは足音一つ出さない。そしてある一つの両手開きの扉に到着する。
「ここか……」
レイは思いっきりドアを開けた。そこにはベットに女二人を抱いている男の姿が見えた。たぶんあの男がキース男爵なのだが、焦り一つ出さなかった珍しい。そしてキース男爵はある声をあげる。
「おい! ダラスお前の出番だ!」
ダラス?。何を言っているんだ?。いまこの敷地内にいるのは俺とシシルとお前と女二人だけだぞ。
「この敷地内には誰も居ないんだよ」
「そんなはずはない! あんだけいる人数をたった一人で?」
「外を見たらいいさ」
キース男爵は急いで外を確認すると、血を出さずに倒れて動かなくなった死体の山がたくさん広場に置かれていた。
「うそ……だろ」
「で、どうすんの?」
キースに問うと案の定武器を持ち、レイに斬りつける。
「毎回毎回馬鹿は同じ事を……。一目見れば効かない事分かるのにさ……」
「お前ら逃げろ!」
キースは女2人に指示を逃げるように指示を出して逃がそうとするがそこにはもう一人の殺し屋がいた。
「必ず殺す前には死が呼ぶ匂いは蜜の味がするんだよねぇ~。ごめんな女性2人には罪はないが僕らを見たって事は死んでもらわないといけないな」
シシルは容赦なくナイフで女性の首をはねた。それを見ていたキースは叫ぶ。
「キース、お前はやり過ぎた。敵を増やし過ぎだ。さようなら」
部屋から聞こえる音は無いが。バタっと何かが倒れる音しか聞こえない。そして俺達はそれぞれの帰る場所に戻る。その途中シシルは帰り道レイになんで銃を使うか質問した。
「先輩はなんで庶民武器である銃を使うんですか?」
「理由は簡単だ。魔術は圧倒的に銃より強いが魔術は証拠が残る。簡単に言えば個人情報の塊だ」
「確かに!」
「人を始末するにはこの9mm弾だけで事足りる。強さの秘訣は身のこなしだ」
「分かりました! 身をうまく使えるようになります!」
「励め。あぁ、それと六色光の本部に言って俺の報告をしといてくれないか?」
「分かりました!」
そして俺のもう一つの任務。バレずに自室に戻ると任務だが、これがまた難しい。時計はもう早朝を指しているが門の前には監視がいる……。
「ったく、これは使いたくなかったが……ハイスピード」
俺は他者から見えない速さで自室に入った。なぜかそこにはエリスが居た。まじでわからん。
「なんでエリスがいるの?」
「だってレイが夜中に外に外出するからさ。って何してたの?」
「何でもいいじゃん」
「あ! そうだそれと、もうすぐドミニオンがあるじゃん」
「あぁ」
「レイ一緒でない?」
「でない」
エリスの真の目的はレイをドミニオンの選手にすることだった。もちろん俺は大会などは興味が無いし。あれに優勝しても言う事を一つだけ絶対に聞いてもらえると言った特典付きだが、生憎俺は、殺し屋協会や本部に連絡するとそれはかなう。別に出場するメリットが無いから今回はパスしよう……。
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