第4話 最強の殺し屋クロは、普通の学園生活を望みだ
数々の偉業を果たしたレイは六色光の前で泣き崩れている。レイは初めて感情を露わにした。ただ六色光のメンバーでそれを馬鹿にしている者はいなかった。
珍しくピンクのリリーも今回はレイをおちょくっていない。
「レイ……大丈夫だ」
優しい言葉は短かったもののその言葉はレイに深く刺さった。ミレイユはレイと同じ高さに顔を持ってきて言葉を掛ける。
「レイちゃん……。クロ様は君の事をよく聞かせてくれた、黒様はレイちゃんにクロを任せると俺ら六色光に言っている」
「君たち!。レイちゃんがクロになることを否定する者はいますか?」
リリーはいつもと違う優しい中に威勢があるように皆に聞いた。ただそれを否定するものが居なかった。
「俺がクロ?。そんな実力――」
『あるよ!』
あるよと言う声は全員同じタイミングで一致した。こうして俺は正式に六色光の黒として正式にメンバーに入ることになった。それと同時に本部のドアを鳴らす者が現れた。リリーは恐る恐る開けるとそこにはメガネをかけて頭の後ろで髪を一つに束ねている綺麗な女性が居た。
「お!。理事長さん!!」
リリーの元気な声にレイは反応してリリーの元へ向かった。レイを見た理事長は腰を低くしてこんにちはとあいさつを交わした。レイは常識を知らないのでその挨拶を返すことはなかった。
リリーは優しく挨拶は返すものだよっと教えてくれた。
理事長は接待室へ行き今回本部に来た理由をうかがうことにした。話していると、リキッドが急に立ち上がり今回理事長が来た本当の理由であろう事を言った。
「レイさん!。この度理事長さんが運営しているアルスアカデミア学園に入学することになりました!!」
「え……」
レイはリキッド以外のほかのメンバーの顔を見るはみんな、納得した風に首をうなずいている。正直レイは皆の元を離れるのが悲しい。
「……俺が学園?」
「そうですよ!」
「えぇ。みんなと離れるのは悲しい……。リリーは別……」
それを聞いて理事長とほかのメンバーはその瞬間クスッと笑い、それを見たリリーはレイにケチをつけた。
「ぶー!。レイの馬鹿!」
まぁ、レイ自身も決してリリーが嫌いなわけではないのだがちょっと苦手だ。それは女性耐性がないだけだろう。
そうして、突如学園に入学したレイは少し困っていた。その困りはなぜか巨大な島に連れてこられたからだ。周りを見回すとやけに都会で高いビルなど綺麗に塗装された道、大人はあまりいない。
「不思議……この島は十代の子供しかいないのか?」
そうつぶやいて突っ立っているレイを遠目で見ていたあるひとりの女性が遠くから近づいてきた。
「あら、こんにちは」
「……こんにちは」
レイはリリーからの教訓挨拶は挨拶で返せという任務を達成した。そう心でひそかにガッツポーズをとっているとその女性が一言話す。
「あなた学園都市は初めてかしら?」
その女性はロングのピンク髪をゆらゆらとなびかせながらかき上げそう質問した。
「俺、ここに入れられた。理事長室に行くように言われた」
「あらそうなの?」
単語でしゃべるレイを見ているその女性は、立て続けに質問をする。
「どこの学園で?」
「……どこだったけ」
「あらしっかりしてね」
「確か――」
前にどの学園か接待室で話したリキッドの姿が頭の中に浮かんだ。
「アルスアカデミア学園」
「アルスね分かったわついてきなさい」
そういうと親切な女性は巨大な島を歩き、目的地であるアルスアカデミア学園に到着した。理事長室は最上階の一室、そこまではエレベーターで向かう。レイは女性と解散して大きなドアを開けた。
そこには極度にリラックスしている理事長の姿があった。理事長はドアの方を向き驚いた表情でいつものしっかりした理事長の姿に戻った。
「あら、レイ君ね。こんにちは」
「こんにちは……」
リリーからの任務を完了
「レイ君は来週から私のアルスアカデミア学園に入学するけど何か心配とかある?」
「……心配か……」
レイは少し考えて思い出した質問を理事長に聞いた。
「そういえばこの学園都市は何を任務としてやってるの?」
「そうね。まずそこから離さないとね!」
「ここは未来の殺し屋を育てる【ラスト学園島】と言って世間からは学園都市と言われているの。名前の通りこの島ではなんでも手に入る学校も住む場所も食材も全てこの学園都市の中にある。基本的には学生はこの島から出ることはできない」
「へぇ~」
「そしてこの学園都市の目標なのだけど……。それが少し問題でね……」
「問題?」
「うん、この学園都市は六色光の傘下を作りだすために結成された都市なんだ」
「なぜ?」
「六色光はレイ君が思っている以上にみんなから目標とされているの。なぜなら六色光は最強の組織だからね。しかもそれが黒だとするとそれは都市内が混乱するだろう」
「それなら心配ない。俺は学校に通うなら普通の生活をしてみたい」
「それは良いね!。支援できることは支援します」
そしてここからレイの普通の学園生活が始まるのであった。
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