犬と狐が斬る!!

黒い霧を2体の護守霊が、耳人形と三尾の前でさえぎる。


三尾は、さらに前に出た。

「我が眷属の風の精霊たち、おまえたちはただ野をかけめぐりたいだけだろう。

その自由な生き方に、反してむりやり眷属にした大天使ことエルクに仕えるのはやめたまえ」


耳人形も続けた。

「どくろたちを酷使するそのような、屍使い、大天使エルクは霊媒師の風上に置けない」


エルクの周りのどくろたちが泣きだした。

「エルクさま、苦しい」、「いつ、精霊になれるのですか?」、「死にたい、死にたいよ」


すると、その刹那どくろたちの中からエルクがあらわになった。


「そこだ!!」三尾はこの瞬間を見逃さなかった。


鋭い爪でエルクの心臓を鋭利なナイフのように引き裂いた。

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