妖かし三身狐隠れる

「追いつめたぞ、三尾」


三尾は、不思議そうにふりかえった。


「さて、君みたいな狐でもない人面犬が、よく私の跡を追ってこられたな」


僕は震えをこらえて言った。

「確かに、お前は僕の鼻で嗅ぎ分けられるような奴じゃない。

だが、その体に染みついた、晶という子の匂いを嗅ぎ分けた。」


「私の望みは、(心のひじり)を過去に使って神になった人間たちを統べることだ。」


「そうはさせない!」


風が吹くと三尾の体が浮いた。

「妖かし三身狐、三尾。

相手になろう。」

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