再会

僕は、首をかしげた。

「このたぐいの事件を扱うのははじめてだな」


「あなたは、昔、いじめの絡んだ学生たちの嘘を見破りました。先月のことです。」


「マリウス·チャンさん、[呪術がらみの事件]って霊媒師がとりしきるべきではないでしょうか。」


「え?」


「あなたは、迷える魂だ。」


「私は風馬教が間違っていて、そして事件をおこした。そのあとに目が覚めると……」


「僕だよ。マリウス。

まず、君を助けることができなくてすまない。

三尾という狐が君に憑いていたんだ。

三尾ってね、僕は人面犬だから、永遠にこえることができないんだ。

だけど、君が地縛霊にならないように、必死に僕は術をねっていた。」


マリウスは、幸せな顔をした。


お別れの時だ。


マリウスは、最後にこうつけ加えた。

「(あきら)という女の子が、そんな悲しい狐の心をかえるとこのマリウス·チャンは確信しています。」


そして、マリウスは三途の川にかかる荘厳な黒い橋を見つけた。

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