回顧録 壊れた水晶と悪魔

三尾は、晶が抱きかかえながら、「うおー!」と声にならない叫び声をあげた。


「心のひじり、はその昔、大僧侶たちが、(愛する者を救うため)に編み出したと、金字義には書いてある。それも今から100年以上前にだ。」


晶は、「お父さん、なんで?」と泣きだす。


光が三尾の体を包んだ。それは邪な黒い光となった。


「この術は、自分が神になる術だった。知らなかったんだ。すまない、晶、すまない…」


「ここにいたぞ、悪魔だ、この人殺しを許すな!!」と数名の村人が2人の居場所をつきとめた。


「お父さん、私、晶はやがて、魚になったり、また幼くこの世を去るであろう、人になります。」

晶は涙をぬぐった。


「そして、(輪廻のなか)燕とかになりたいな。」


「そうだね。」


三尾がゆっくりと立ちあがり、村人に深々と謝罪をすると、三尾と晶は、風とともに消えた。

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