日本の友人から「早上好(ザオシャンハオ)」へ

公園で小さい子供たちが、数人遊んでいる。

1人の女の子が、「あ、あ」と声にならない妙な言葉を言った。

何かを見ているのだが、とっさに気味悪さにそれがなにかということを確認する気が失せる。

せめて、子供には悪いが、大人にだって関わりたくないことはあるのだよ。との具合にだ。


しかし、後ろ側から男の「刃物だぞ、襲う気だ」という声と女の上がりきらない悲鳴がきこえる。


マリウスはとっさに振り返るとナイフを持った四ツ髪ツトムを止めに入った。


「だめです!罪をおこすのはだめです。神ではないんです。だから……」


「カタコトのやつまで俺をばかにするのか!!

まずはお前だ!!」


その刹那、マリウスは流れ出る血の中、

「日本のみなさんごめんなさい。詫びれませんけど詫ます」と言って倒れた。


警官5名に四ツ髪ツトムは取り押さえられた。


薄れゆくマリウスの意識の中で、周りには子供たちとその親たちが集まってきた。


「日本人は優しいですね」マリウスはそう言うと目を閉じた。






「マルリス、マルリス、チャン!」

目を覚ましたようだ。

「マルリス、夜ふかしでもしたのかい?」

泣いていた。「夢か」

「早上好、チャン」

「早上好!フレンズ。」


看守が、顔を出した。「ザオシャンハオ(早上好)」、3人が以外そうにみたので、照れながら「昔、チャイニーズゴーストストーリーにはまっていまして。中国好きなんですよ。」と言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る