耳人形悲しむ
僕のところにはたまに、苦労してお気の毒、という人よりも、もっと社会が守るべき‘儚い’人が来る。
そのあまり、小柄で似合っていないジャケットを着た、僕が好きなマルリスという男は話し始めた。
「と、なると耳人形さんは、とってもまじめな霊媒師さんなんですね。
わたくしたち、風馬教はあなたさまをたかく評価しております」
マルリスは、その後狂信的な殺人事件をおこした。
獄中で彼は、神の言葉より、僕耳人形を呼ぶようにと言われたという。
僕は、彼をなるべく極右から離したかった。
僕は鉄格子越しにマルリスと会った。
マルリスは、にこにこと微笑みながら言った。
「この国はまだまだやれます。風馬教をさらに広めることが大切なのが分かります。
わたくしがご案内しなければ、今頃あの方は上界に至れなかったところでした。」
「こうなる前に、手を打ちたかった。
すまない。」
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