木の葉の神さま

8月。真夏の日。


霊媒師の僕は、葉と幸山(ハトユキヤマ)を訪れた。


犬形から人形に早変わりして、大好きなあんみつをいただく。


ふと小皿をおいた机の左を気にする。

誰か来る。


ちゃりーん。扉が横に開く。


僕は、口をあんぐりと開けてしまった。


「こんにちは。東京の方の方ですね。

気兼ねなく、ただし「おかえり」とはいいませんよ。」


「負けました。

ハトユキヤマというこの地が、いい場所になりました。」


突然、空から小雪が散らついてきた。


「ここは、底冷え山(ソコビエヤマ)という別名がある由縁です。

実は、東京からはるばる耳人形さんをお呼びした理由があります。

私、山の神ですが、昨今ハトユキキツネたちがやけに、私をばかにするんです。

何ででしょう。」


「さぁ、僕には狐の勘はないからな。

そんなに気になるのでしたら、僕が潜入捜査しますね。」

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