宝石はどこに消えた?

「あなたやけに立派なお腹をしているね

何か入っているのかい?」


「金を元に世の中を観察し始めたら、勘定にうるさくなってね

金を稼いでいるというよりも、金を使わないんだ。コツがあるとすればね、余裕を持つんだよ」


「そうやって金を上手くためているんだね。じゃあ、この大きな腹は、それでもって、そりゃグルメなものが入っているんだね」


「そうだよ、何よりもグルメなものが中にね」


「トリュフかい?」


「黒いね」


「フォアグラかい?」


「もっと珍味だね」


「じゃあ、キャビアかい?」


「チョウザメの目に似ているよ」


「目?そんなものが入っているのか」


「キラキラ光るんだ。それは、宝石だよ」


「やだね、宝石を食べてしまったのかい」


「そうだよ。そろそろ行くよ」


「どこに行くのかい?」


「ちょっとまた街で食ってくる」


「ひどい輩だ

おかえり、って言いなさい」


「おかえり」


ばぐっ?


あれ固くないぞ


「耳をかまれた!でも。腹の宝石は無事だぞ」

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