第15話 元一のえっち.....。

正直言ってこの先がどうなるかは分からないが。

今から明るい未来.....とは直には言えないと思うが取り敢えず今ある絶望をひっくり返せればそれに勝る事は無いだろう。

思いながら翌日を迎えた様だが.....日差しを感じる。

するとベッドの横からこんな声がした。


「お、起きて。元一。今直ぐに起きないと.....大変な事になるよ」

「.....?」


そんな事を言われたら起きたくなくなる。

思いながら目を閉じていると、お、起きないんだぁ。ふーん。そっかー。起きないんだー、と涼子はすっとぼけた様に言う。

それから何か.....息が近付いてきた気がする。

俺は目をゆっくり上げると.....涼子にキスをされた。


「.....りょ、涼子!!!!?」

「え、えへへ。.....起きない方が悪い」

「まさかキスをされるとは思わないんだ!?」

「だ、だって起きなかったから」


言いながら涼子は何を思ったか。

俺に擦り寄って来た。

それから俺に甘えてくる。

すり寄る形で、だ。


「い、いや.....汗臭いから.....」

「そ、そんなの気にしないから.....大丈夫」

「俺が大丈夫じゃない!.....全く」


コイツという奴は。

トロンとした目で猛烈に可愛いけど。

こんなの普通は逆だろ。

思いながら俺は涼子を引き剥がす。


「学校に行くぞ」

「そ、そうだけど.....もう少し」

「馬鹿者!もう時間が無いだろ.....」

「だ、大丈夫。イチャイチャする時間はあるから。は、早めに起こした」

「なぁ?!お前.....」


確かに時間がいつもの40分早い7時だ.....早すぎる。

これは参ったな。騙された。

思いながら俺は涼子を赤くなりながら見る。

すると涼子は、すりすりー、とか言いつつ俺を見上げてきた。


「.....っま?!」

「え、えへへ。すりすりー」

「涼子ぉ.....もう止めろ!ヤバい!色々と!」

「え.....?な、何が.....?」


しゅんとなる涼子。

色々とな.....赤くなってしまうんだわ。

思いながら俺は慌てるとその。


生理反応がバシッと涼子の腰辺りに服越しに当たってしまった。

何が当たったかは想像に任せるが。

すると涼子は、ソレ、を見てボッと赤面する。


「.....ふぇ?え.....えっと.....えっと」

「だから困ると言ったのだが.....」

「えぇ.....っと!も、元一のえっち.....」

「俺のせいか.....?」


涼子は、ソレ、を見てから目線を俺に戻して赤くなりながら慌てて外に出る。

それから咳払いしてから、ま、まあ。待っているから、とそのまま駆け出して行ってしまう。

俺はその姿を見ながら鼻を弄る。

それから何とか生理反応を抑えながらリビングに向かう。



「涼子」

「は、はい」

「.....だ、大丈夫か」

「は、はい.....その。し、仕方が無いよね。わ、私が悪い」


赤くなってから目を回す涼子。

俺はその姿に涼子と同じ様に咳払いした。

それから俺は赤くなりながら涼子を見てみる。


「.....涼子。すまないな。朝から変なものを見せて」

「だ、だって仕方が無いよね。.....せ、生理反応だし.....それに」

「.....それに?」

「い、いつか本気でお世話になる.....かもしれないし.....」


ハァー!!!!!

俺は真っ赤に更に真っ赤になった。

かなり自律神経が乱れてしまう。

その事に俺は味噌汁に手をかけた。

目の前の味噌汁は赤味噌で美味しそうだ。


「味噌汁、お、美味しいな!涼子!」

「.....う、うん.....」

「.....」

「.....」


何というかもうどうしようもないな。

思いながら俺は時計の針の音を聞いた。

チッチッチと音がする。

時間はまだ早い.....というか全く時間が経たない感じなのだが?


「.....(その時)は今じゃないってのは知ってる。だ、だけどいつかはきっと来る.....筈だから。.....け、結婚するなら尚更」

「お、お前!?結婚って.....」

「す、すっ飛ばしてないよ.....だって私は真面目に話してるよ」


いきなり何を.....。

ま、真面目に聞いているって。

俺はどうしても赤くならざるを得なかった。


すると、でももう一度言うけど(今じゃない)ってのは知っているから。安心して、と俺を見上げてくる。

ドキドキが止まらないんだが。


「お前.....」

「.....でもいつかは、け、結婚してほしいか、な」

「.....」

「えへへ。愛してるよ。元一」


言いながら涼子は微笑みながら俺を見てくる。

俺はその姿を見ながら苦笑いで赤くなる。

全くコイツは、と思える。

それから俺は涼子を、必ず未来を開く、と答えながら見た。

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