第12話 恋が成就する時
何これ.....ポッキゲームするの!?
いや俺があくまで提案したけどさ!?
マジにするの!?
俺は赤くなりながら涼子を見る。
涼子はマジにポッキーゲームをする様で.....咥えていた。
というかまあアップルパイなんだが。
そ、それでもメチャクチャ恥ずかしいんだが!
俺は赤くなりながら涼子を見る。
すると、な、何。言っている方が逃げるの、と言い出した。
「上等じゃねぇの.....お前。後悔するなよ.....!」
「そ、それを言うなら元一だって」
「おう!俺は心はもう落ち着いた!」
嘘ばかり吐くな。
自分で自分自身にそう言い聞かせる。
そして俺は、ほい、と言いながらアップルパイを咥えて向いてきた涼子を見る。
涼子は目を閉じて真っ赤になっていた。
ぐ、グゥ!?
「.....可愛.....」
そこまで言ってから、何を言ってんだ、と思ってから俺は黙る。
それから諦めて俺は反対側から、えーい。ままよ!!!!!、と咥えてみる。
するとビクッとした涼子。
そして食べていく。
その時だった。
「で、でもやっぱりこんなじれったいの我慢出来ない」
そう言ってから涼子はアップルパイを咥えているのを思いっきり口から外した。
それから俺の肩を掴む。
な、何をする!?いきなり!?
俺は慌てながら涼子を見る。
涼子はそのまま俺に唇を重ねた。
赤くなる俺。
「ポッキーゲームじゃ無いだろ!?」
「そんなの無くても。は、反則とかも無い。.....こんな事をしなくても私は元一が好きなんだから」
「お、おま?!」
「ね、ねえ。元一」
「はい!?な、何でしょう」
へ、返事は要らないって言ったけど。
でも私、やっぱり我慢出来そうにない、と俺に向いてくる。
それから、つ、付き合わない?、と上目遣いで訴えてくる.....何だ.....と。
しかし。
「.....お前。俺が今は恋愛に臆病なの知っているのか?」
「わ、私が手伝う。.....臆病な心を壊すのを」
「.....俺なんかと付き合ったら不幸になるぞ.....お前も」
「わ、私はそうは思わない」
言いながら俺の手を握る。
弱々しく、だ。
俺はその姿にますます赤面する。
もう耐えらえなかった。
俺はメルと別れてフリーになったから.....良いよな?
「分かった。付き合おうか」
「.....も、元一.....」
「.....何で泣くんだよ.....意味が分からない」
いきなり涼子は泣き始めた。
そしてポツリポツリと呟き始める。
私、バカだなぁ、と。
「じ、実は.....私。.....ずっとメルさんの事を恨んでいたから」
「.....」
「こ、恋が実らなかったのを苦痛に感じていた」
「.....そうだったんだな」
こ、こうして付き合うのはメルさんには本当に申し訳ない気持ちもある。
だけど私はずっとこうしたかった。
私は君が好きだったから、と控えめに笑顔になる涼子。
俺はその顔に眉を顰める。
そして見ていると。
「.....も、元一。.....私はみんなの事も大切にしたいから」
「そうだな。.....俺もそれは思う」
「.....ご、ゴメンね。本当に傲慢だとは思うけど。だけどどうしても周りに笑顔で向きたいから」
「.....」
私は元一が好き。
だからこそ世界一の貴方を貴方の周りを。
みんなを大切にしたい、と胸に手を添える。
俺はその姿を見ながら俺はハッとした。
告白した後で申し訳ないが何か胸がカァッと熱くなる。
だけどそれは恥ずかしいとかじゃない。
そうか.....俺は。
いつしかメルじゃなくてコイツに視線が向いていたんだな、と。
「.....お前は狡い」
「え、え?.....な、何が」
「お前は最高峰に良い奴だから良い子だから.....」
「い、いきなり何を言っているの!?」
かなり赤くなる涼子。
その姿を見てから立ち上がって決意した。
それから俺は、涼子。こっち向いて、と話す。
すると涼子は?を浮かべてこっちを見た。
その唇に唇を添える。
「.....フ.....あ!?」
「お前が何時もやっていた分のお返しだ」
「.....」
「.....何でまた泣くの!?」
ポロポロと大粒の涙を流し始めた涼子。
それから、え、えへへ。幸せだなぁ、と噛み締める様に話し始めた。
そして号泣し始める。
世界で一番.....今が幸せだなぁ、とか訳の分からない事を言いながら。
困ったものだ。
俺の大切な彼女は本当に。
思いながら涼子を見ていた。
「.....え、えへへ。物凄い幸せ」
「泣き笑いは激しいぞお前.....何か困惑だ」
「そ、それは仕方が無いと思う。だって私の彼氏に初めて認められたから」
「.....」
そして俺は涼子と付き合う事になった。
取り敢えず戦いはまだこれからだな。
思いながら俺は涼子の頭を撫でる。
急展開にも程があるが。
だけどただただ幸せだった。
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