第二章 恋

ぽ、ぽ、ポッキーゲーム.....!?

第11話 ポッキーゲーム

メルが自殺未遂を起こした。

それからメルは一応病院に運ばれて.....俺達は保健室で様子を見られる。

俺と涼子はホッとしながら治療を受けていた。

取り敢えず、マジに死ななくて、止めれて良かった、と思う。


「.....め、メルさん.....どうしたら良いんだろうね。これから先関わるの」

「正直言って分からない。まさかこんな事をするとは思わなかったからな」


保健室で俺達はそう会話をする。

そして考え込んでいた。

すると少し経ってからドアが開く。

それから水道橋先生が顔を見せてくる。


「大丈夫かしら」

「.....せ、先生。一応大丈夫です」

「そうだな。涼子」


そんな俺達の言葉に、そう、と言いながら俺達の前に腰掛ける水道橋先生。

それから俺達を見ながら、緊急の職員会議で決まった事だけど、と話し始める。

一応、メルさんは暫くお休みにするわ。.....それからこの事は色々な方面から支える.....ってそんな事言っても分からないわよね。教員達で話し合ってから内部調査などを考える事になったわ、と言ってくる。


「.....ああ。成程ですね」

「ええ。.....取り敢えず貴方達も協力してもらうかもだけどそれは理解を願うわ」

「し、正直私は好きじゃないですけど。死んでもらうよりかはマシなので」


涼子はそう言いながら真剣な顔になる。

俺はその顔を見ながら頷いた。

先生も頷いている。

それから先生は、取り敢えずは貴方達も帰りなさい。.....今日の所は、と話す。


「.....あ、帰って良いんですか?」

「そうね。大事をとって帰ってもらって。.....それから何かあったら連絡して」

「.....そうですね.....」

「じゅ、授業はどうなるんですか?」

「今日は非常事態だから一応免除よ」


言いながら水道橋先生は見てくる。

俺はその姿を見ながら涼子を見てみる。

涼子は何か心配気な顔をしていた。

それは授業を心配している様な顔じゃない。

多分コイツの事だメルを心配している。


「.....涼子。.....メルなんかを心配しても意味ないぞ。今はどうしようもないと思うから」

「う、うん。まあそうなんだけど.....」

「.....取り敢えず大人に任せよう。今は」

「そ、そうだね。元一」


それから俺達は水道橋先生に挨拶してから。

そのまま帰る事になった。

そして俺の横にビクビクしながらの感じで涼子が付いて来る。

すると途中まで歩いてから涼子が切り出した。


「ね、ねえ。元一。アップルパイの店が出来たの。行ってみない?」

「ばっか。お前。真っ先に帰れって言われたろ」

「そ、そうだけど.....ね、一緒に行きたいな」

「.....仕方がないな」


潤んだ瞳でそんな事を言われては行かざるを得ない。

思いながら俺達はそのままアップルパイ屋に言く。

それからアップルパイの店に来た.....するとアップルパイには冷たいのと熱いのがあると書かれていた。

俺達は顔を見合わせる。


「じゃあ冷たいの買うか」

「わ、私は温かいの買う.....じゃあ交換しようか」

「.....そうだな.....え?それって間接キス.....」

「い、今更だね。.....そんな事私は気にしない.....」


そんなメチャクチャな!?

2個ずつ買えば良いじゃない!?

思いながら見ていたが1個ずつしか買わなかった。


店員さんはニコニコしながらお金を払った俺達に細長い感じの熱々のアップルパイと細長い感じの冷え冷えのアップルパイをそれぞれ渡してくる。

仲良く食べて下さいね、的な感じで。

そんな関係じゃないのだが。

俺は考えながら、直ぐに食べてしまおう、と思ったが。


「じー.....」

「い、いや。あのな!?マジにやるの!?」

「か、間接キス?私はそれどころかキスしたけど.....」

「あ!?やっぱりキスだったのか!」


そんな感じで言いながら俺は慌てつつ。

外の椅子に座ってから涼子を見る。

涼子は笑顔でニヤニヤする。

そして汗をかく。


「.....か、観念して。.....間接キスぐらい良いでしょ。今更」

「おま.....」

「わ、私は元一が好きなんだから。良いじゃない」

「.....分かった」


じゃあ交換しようか、と言うが。

差し出してから涼子が受け取る仕草を見て止める。

それから、だが条件がある、と。

すると涼子は???を浮かべてくる。


「な、何?」

「あくまで普通なら面白みがない。これ長いしな。ポッキーゲームで食おう」

「.....ポッキーゲーム.....へ!?」


これまでに無いぐらいに真っ赤になる涼子。

それからプシューという効果音でも出そうな感じで俯いた。

そして困惑する。

俺はその姿に、懲りたか、と思った.....のだが。


「い、良いよ。ぽ、ポッキーゲームね。.....りょ、了解.....」

「はあ!?」

「だって.....元一が言った。私は.....それに従うだけ。何?もしかして負けるのが怖い.....?」


こ、こ、この野郎!!!!?

そして俺は真っ赤になりながら顔を引き攣らせる。

だが涼子は赤いまま汗をダラダラ流しながらマジな顔をしながら俺を見てくる。

ニヤニヤしながら、だ。


「.....」

「ど、どうする?えへへ.....」


涼子は俺を観察する。

覗き込んでくる。


ど、どうしたものか。

思いながら俺は苦笑いを浮かべる。

そして.....俺は顔を上げた。

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