第2話 否定

あまりにもうざったい。

思いながら俺はメルを見ながらそう思いながら移動した。

それから保健室やって来たが保健室に涼子が一人で何かを読んでいる。

絵本を読んでいた様だ。

俺を見るなりニコッとする。


「あ、元一.....」


「よお。元気か?」


「.....う、うん」


涼子は困惑しながら俯く。

それから俺はそんな姿に真正面のソファに腰掛ける。

そして涼子を改めて見る。

涼子は、その、と言いながら俺をチラ見する。


「.....は、話したの.....?メル.....さんと」


「話してないな。視線で会話はしたけど」


「め、メルさんと付き合ったのには理由があるんでしょ?その.....えっと.....」


「ああ。あった。理由がな。.....正直、俺自身が.....その。.....まあ家庭の事を忘れて何かが開けるかなって思ったんだ」


「.....そ、そうだったね。確か、うん」


新しい道。

それは.....新しく出会った人と関わる事で人生が変わるかなって思ったのだ。

だけど結局はアホな事ばかりで何も変わらなかった。

馬鹿野郎だったと思う。

正直言って今の生活の方がよっぽどマシというに気が付いたのだが.....。


「まあその。小説ばっかり書いているからな。別の意味で社会勉強になるかなって思って付き合ったんだけど。結局この様だからなぁ」


「そ、そうなんだね」


「そうだな。.....お前が元気な姿を見て小説書く方がよっぽどマシだった」


「.....えっと.....え.....あ、うん」


赤くなって俯く涼子。

俺は、?、を浮かべながらその姿を見る。

涼子は、そ、の、と言葉を発した。

それから俺をジッと見てくる。

俺は、何だ?、と聞いてみると。


「その。.....私の事、どう思う」


「どう思うってのは?ゆっくりすぎるとか?」


「そう。うざい.....のかな」


「まあそう言う奴は嫌いだからな。.....メルと同じだから」


「.....そ、そうなんだね」


涼子は絵本を置く。

それからモジモジする。

俺はその姿に?を浮かべながら後頭部に手を添える。

そして天井を見上げた。

すると涼子が、ね、ねえ、と聞いてくる。


「.....わ、私みたいなのは眼中.....にある?」


「が、眼中!?」


「そ、そう.....あ、いや。忘れて。やっぱり」


「眼中って何だお前.....ビックリした」


「.....う、うん。ゴメン」


それからデジタル時計を見る涼子。

そして、次の時間が始まるね、と言う。

俺は、あ。そうだな、と立ち上がる

そうしてから、先生は?、と聞くと、先生は今職員室、と答えた。

そうか、と言いながら俺は、じゃあまた後でな、と笑みを浮かべる。


「う、うん。また後で」


「そうだな。じゃあな」


俺はそう言いながらそのまま涼子に挨拶をしてから表に出る。

そして歩いていると.....目の前の壁に寄り掛かる様にしてメルが居た。

警戒の目になる俺。

それから、何をしている、と聞いた。


「.....その。.....私が悪かったって思える。あくまであれは浮気じゃない。貴方が好きだってのは今でも同じだから。だから捨てないでほしいんだけど.....」


「お前はアホか?.....俺は俺達の関係を馬鹿にしたりした。そしてあの光景でお前が浮気してないと?セックスしたとかも噂で聞いたぞお前.....」


「その。ポツリと出てしまったから.....」


「そっちの方がもっと悪質だな。何れにせよ俺はお前とはもう付き合わない。.....そもそも俺がお前と別れた理由はそれは後回しだが最初に分かれる理由になったのはお前の浮気の様な行動だ。その次にセックス。そして俺達に対する暴言の順でやばいと思った。流石に汚らしいと思ったんだが」


「.....」


「どうなんだ。したのか。してないのか」


「してないって言ったら付き合うの」


それは死んでもゴメンだな。

どっちに転んでも俺はお前とは付き合わない、と言う俺。

すると俺の肩を掴んでくるメル。

そして、セックスは噂.....私は何もしてない、と話す。


「いや。そこだけ否定しても.....まあ.....俺はお前とは話さない」


「.....」


メルは眉を顰めながらそのまま離した。

それから俺は教室に戻る。

そして奈良の前に座る。

丁度俺の後ろが奈良の席になっているが。

奈良が言ってくる。


「探していたぞ杉山が」


「そうだな。拒否ったけど」


「まあ当然の裁きだな。.....何というか浮気現場の目撃、恋人が居るにも関わらずセックスする噂、馬鹿にしたという噂が流れている時点で全てがぶっ飛んでやがる」


「.....そうだな。最初のはもう噂ですら無いけど」


そんな会話をしながら俺はチャイムの音を聞いて授業を受け始める。

因みにメルが戻って来なかった。

何処行ったんだアイツは.....?

思いながら俺は頬杖をつきながら窓から外を見る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る