真相_ Ⅰ

──ザザザザッ…ジジッ、ジジジジジッ、ザーーーーーーーーーーッと、男女の暗い脳裏にモノクロのノイズが走る。


グリッジはやがて三原色の色彩を取り戻してゆき、時々映像に混ざる。



二人の脳裏に映し出されていったは暗いが無彩色の、然し徐々に鮮明さを取り戻そうとしている光景が顕になってゆく。





──"私はただ、私のせいで二人がケンカしてしまったんじゃないかって"


──"そもそも君が元凶だって言ってんの(^ν^)"


──"……さんありがと~!ポテポテポテェ~!"

"俺は一目見た時からミヌちゃんに目を付けてたよ"

"イエ~イ!"

"俺の癖に刺さる絶対領域ニーソが~抱きしめていい?って聞きたいけど君には……"

"やっぱ俺ミヌちゃん以外の見た目の女の子はダメっぽい(^ν^)"



──"『…そっか』"






「──はっ!」

一瞬、息を詰まらせたかの様に苦しそうに声を発し、そして肩で息をする。

「い…今のは……『過去』だ…」

オクタがそう言うと、隣の水狗ミイヌにも彼の意図は伝わった。…どうやら二人共同じものを見たらしい。

ぎった過去の光景、映像に映し出される『異質な者』の姿。


……二人は、この『彼』の事を覚えていた筈だった。





オクタが『彼』を水狗との恋愛事に巻き込んだ事が切っ掛けで最終的に全員で強く迫害した『彼』という存在。

それでもかつてはある程度の交友があった存在でもあった。

然し何故、今になって二人は『彼』の存在を思い出したのだろうか。モニターに映し出されている『高次AI搭載仮想生命型OS』の姿が──











「ッ──!」

その瞬間、引き千切られそうな程の痛みが二人の脳を苛む。

「ぐあ…あ……」

「いた…い……痛い、痛い…」

太くて大きく尖った針で、脳を刺されている様な感覚に苦しむ。そしてその痛みは、幻の形で腹部を深く刺す痛みへ変わっていった。

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