焚べられた命
無機の夢_Ⅰ
「……静かだ…」
──無機質な扉は壊れて開いたままであり、機構を構築するものの殆どは植物が這い、覆っている。
最早廃墟そのものだが、此処は確かに『楽園』だったのだ。
「なあシュシュちゃん、本当に『カミサマ』ってのに会ったのか?」
オクタは心の中で抱えていた疑問を今更本人に訊ねる。
「嘘じゃないですよぉ♪わたし、ほんとうに出会いましたもん♪」
「わたし、いい子ちゃんですから♪」という付け加えられた台詞を軽い気持ちで受け流しながらも、友人へ対する当たり前の感情で彼女の言葉を信じ、密かに全幅の信頼を寄せる事にした。
そんな彼女から、皆を呼び止める声が発され、オクタ達が皆シュシュの顔を見る。
「先に進むのは構わないんですけど、まだ生きてるセキュリティシステムがあるかもなので気をつけてくださいねー」
ちゃんと言う事聞かなきゃ、めっ!という態度をしながら彼女は皆に注意を促した。
「…生きてるシステムがどんなものなのか把握しきれてないので、もしシステムに気付かれちゃったり引っかかったら何があるかわからないですし、わたしも助けられないかもですから」
そう言うシュシュの表情は、心無しか悔しさや悲しさを宿している様だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます