世界が死に絶えた日_Ⅴ

──結局その場に留まっていても何も解決はしない、という理由で一行は施設の外を目指す事にしたが、人間を冷凍保存コールドスリープする為の施設という事もあってなのか中々入り組んでいて出口らしき場所が見えない。


「ね…ねえ~これ出れるの~?」

恥ずかしそうに胸を隠しながら不安そうな声で辺りをじろじろ見ている、友人の一人である水狗ミイヌ

そんな彼女の事を物凄く凝視する、オクタ。



当然ながら友人であるこの二人は、オクタの方から水狗にしつこくアプローチをして紆余曲折を経て「異性のお友達」から彼の望んだ通りの「オクタの女」となった水狗と、しつこくしつこくねっちりと毎日通い続け、「それでも自分のものになってくれないから」という理由で挙句の果てに彼女の目の前で泣き喚く子供になりきり良心を突いて「恋人」の座を獲ったオクタという男女の関係である。

そういう関係になったからなのか、オクタの方から特に厭らしい事や淫らな事を「友達のおふざけ」の一環でよく水狗にしていた。


勿論、炉景ロケイ達友人達は「友達同士のそういうもの」「微笑ましいもの」程度で済ませていたし、当の本人達もそういう認識であったのでさして問題は無い様だが。





…だが、今のオクタの水狗を見る目は獲物を見つけてギラつく雄の様な目であり、暗いお陰でまだ気付かれてはいない様だが、彼の陰茎は震える水狗の姿を見てギンギンに勃起していた。

それに比例する様にオクタの水狗を見る目はより爛々としたものに、視線は顔や胸よりも隠せていない陰部と太腿の方に向けられてゆく。

(やっぱり何度見てもちょっと薄めの胸も好きだけど……ミヌちゃんのマンコ…エロくて美味そうだし太腿に俺のチンコ挟みてえ……ミヌちゃんの中に射精してえ…孕ませてえ…)


次第に過激な妄想に取り憑かれ始めてゆくオクタに対し、の匂いを感じた炉景が軽い溜息の後に、

「オクタ氏、本人の前で如何わしい妄想して先走り液垂れ流すのは良くないと思う」

…と、勃起した陰茎から精液の匂いのする先走り液カウパーを漏らすオクタにはっきりと指摘をする。



「し、してねーよ!(^ν^)」

炉景にはっきりと指摘されて慌てたオクタは、必死に自分の陰茎を手で覆い隠す。──まあ、指摘された事で既に女性陣からの蔑みや憐れみに近い表情を向けられてしまっているのだが、どうやら彼は勃起した陰茎を隠すのに必死になってる所為で気付いていない様だ。
















──会話や文句を言いながらもある程度進んだ一行は、少し先の方に「EXIT」の看板がある事に気付き表情を明るくする。

「非常口だ!」

出口ではなかったが、その代わり非常口らしき場所を見つけ出した。


「まあいいさ、あそこから出ちゃおう!(^ν^)」

一応の出口を見つけた事でオクタはついついおどけてしまう。

「やった!」「出れるんだね!?」「よかったぁ…」と歓喜や安堵の表情を浮かべる四人の女達。

「外出たら取り敢えず服!食べ物!」

結局施設内には服も食べ物も無かったから~と外に出たら真っ先に探す!と躍起になるHONEYハニー






「もう一気に走っちまおうぜ!」とオクタが突っ走り始めたのを切っ掛けにHONEYや炉景達も非常口まで駆け抜ける。





──しかし、あともう少しだ!という所で「ガコンッ!」という金属音と共に「グチャッ」という不気味な音が少し後ろの方から響いた。

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