世界が死に絶えた日_Ⅳ
全裸の男二人がトンチキな行動に走っている頃、横たえられていた内の一人が目を覚ました。
ぱちり。と青色の目が開き、ぼやけた視界と冷たい床に軽い不快感を覚えながらゆっくり上体を起こす。
「ん…なにここ……ってうわ!何何何この格好!?素っ裸じゃん!」
目を覚ました人物は本能的に自分の胸を腕で隠し、両脚をぴたりと並べて股を隠した。
「おっハニハニお目覚め~(^ν^)」
そんな彼女に早速オクタが声を掛ける。ハニハニと呼ばれた女は愛称を呼ばれた事と今の状況に気持ちが追い付いていないのか、えっあっえっ?と動揺している。
「……」
彼女は目覚めて早々友人以外知らない筈の愛称を呼ばれた上に男の『色』を見る視線にゾッとしたが、助け舟を出す様に炉景がオクタを小突く。
「…おい、相手が友人つっても
セクハラ、という言葉にギョッとしたのか、
「あ、あぁ、悪いねハニハニ。ははは…」
とばつの悪そうな表情を浮かべて顔を逸らした。
「ていうか!何あなた達!!なんで!?私もだけどみんな全裸じゃん!訳わかんない!どうして!?」
若干混乱はしているものの改めてはっきりとした意識で場を認識する。
一糸纏わぬ男二人と女の自分、他に横たわってる人間……どちらもしっかり見ると、男二人は友人のオクタと炉景で、横たわってる人間達は奥の方からアルコ、
「えっ、えっ?アルぴとミヌちゃんとくもちゃんの三人も!?えっどうして?というかオクトン何この状況!?」
彼女からオクトンと呼ばれた──オクタは、状況を説明しようにも詳しい事を思い出せず悩んだ。
「あー…それがねハニハニ、俺らも目が覚めた時こんなんだったワケ。で、説明しようにも何でこんな状況なのかさっぱりなんよ」
「でも、でもさ、私達友達って記憶はあるじゃん!?」
「そう。俺達は友達で、ゲームやSNSでも仲良しだった。ずっと続くんだって思う程の。でも何故か俺達は素っ裸でつめた~いとこにいた。思い出せる範囲だけでも、俺らがSNSでイチャイチャしてて、んでゲームでもイチャイチャし合ってたって位」
これはロキ君…炉景も同じだったよ、と付け加えて、彼の説明は終わる。
「えーっ!じゃあ私と同じって事じゃん!私だってSNSとゲームの中でみんなと遊んだ記憶しか無いよ!?」
ぎゃあぎゃあわあわあと男女が騒いでいる間に、横たわっていた三人も目が覚めたらしく状況を把握出来ないまま互いを認識し合っている様子だった。
なに?どういうこと?等と混乱が更に増した中、炉景が騒ぐ二人と混乱する三人を制する。
「ちょっと待ちな。いつまでもこんな所で混乱して騒いだってどうにもならんだろ。マシな所に出た方が良い」
炉景の言葉を軽く整理した後、
「「うん。たしかに」」
オクタとHONEYの二人は彼の言葉に真面目に頷いた。
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