第4話 カッパってなんですか?

ただ暑くなってきたからって理由で髪の毛をボブにする。

ポニーテール出来なくなったからひっぱられることもないだろう。

「おはよ」

朝から高橋がうちの席に座って話してる。

「あれ?イメチェン?誰かにふられた?」

「ちがうし。暑いから」

「なんかお前カッパみたいになったな」

「酷すぎん?何なんカッパって…」


それから高橋はうちの事をカッパって呼ぶようになる。

部活してる時もうちのこと見つけて

「よぉ!カッパ」ってわざわざ挨拶してくる。


髪の毛引っ張られる事は無くなったけど、次は背中を首から背骨に沿って指ですーっとなぞってくるようになった。

めちゃくちゃゾクゾクするし、こそばいのでされるとビクッとする。

「これはマジでやめて!」

って言っても反応が面白いからってやめてくれん。


仲良くなってきたら高橋は結構図々しい。

うちの筆箱から筆記用具勝手に借りるのなんて当たり前。

ノートとかも勝手に持って帰っちゃう。


「カッパ、それちょうだい」

ペットボトルを凍らせて持ってきてるアクエリアス飲んでたら高橋が話しかける。

「え?これ?…いいけど…」

おそるおそる渡す。どうやって飲むつもり?

口つける?

間接キスになるよ?


ドキドキしながら高橋が飲むのを見る。

普通に口つけて飲んじゃった!!

これ、この後うちどうすんの?

結局その後飲む勇気なくて、水道の水飲んで過ごす。


最初はドキドキしたけど、これも毎日されるとだんだん普通になってくる。

水道の水飲むの嫌やし、思い切って間接キスして飲む。

あー、普通。気にしてるのうちだけだった。


こんな感じに毎日、高橋に振り回されてる。

気にしたくないのに毎日ちょっかい出されて気にしちゃう。

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