第12話 夜間飛行 VOL DE NUIT
◇◇◇◇◇◇
『ゲームを開始します』
◇◇◇◇◇◇
その表示と同時に、デモゲーム画面から大きく景色が変わった。画面いっぱいに別世界の美しい夜景が広がった。
夜空を飛行する三機、今回は
機体の上には満天の星空が広がり、地上には宝石箱をひっくり返したように町の光が美しく輝いている。
ZeroOne「なに? これは!」
Mai「フーッ!」
Louis「ひ、広い……それに何なの……このリアルな景色は……これは驚きね」
ZeroOne「すごい……壮観ね。なんて美しい夜空なの。でも……これ、下の戦車見える?」
Louis「モニターみたいなので暗闇でも、どこに何がいるかわかるわよ」
Mai「本当だ」
モニターの下に今の敵、味方の数がわかる表示がある。
――――――
全機体数:90 敵:87 あなたのチーム:3
全チーム:30 敵:29 あなたのチーム:1
――――――
ZeroOne「現在、残りの機体。ちょうど九十機……多いよ」
左斜め下方で結構大きいバトルを繰り広げているように見える。数機が炎に包まれて落ちていく。それと同時にモニターの下に表示が変わった。
――――――
全機体数:87 敵:84 あなたのチーム:3
全チーム:29 敵:28 あなたのチーム:1
――――――
◇◇◇◇◇◇
ユウスケ「みんな大丈夫?」
ケイト「ああ、大丈夫だよ」
リョウタ「今、隣で三機撃墜されたみたいだけど」
ユウスケ「ああ、撃たれたのは見たけど。どこから撃ってきたか、わかった?」
ケイト「敵が多すぎてわからなかったよ」
リョウタ「気を付けよう。もう少し数が減ってきたら、また、戦いやすくなるはずだから」
◇◇◇◇◇◇
隣のテーブルから
ゲームを観戦している
パソコンの画面を操作しながら、
「ねえ、京介。あなたたち、今、どんな画面が見えてるの?」
「ん? ああ、僕たちは、なんて言うんだろう。対戦が始まったら、そこの場面に切り替わる感じかな」
「そうだね。戦ってないときはランダムに誰かの機体が飛んでるのが見えてる。それにしてもこの世界まるで現実の夜空だね」
和也が言う。
「敵が攻撃してこなければ、美しい夜景の中を飛行する、まさに『夜間飛行』よね」
麗が呟く。
◇◇◇◇◇◇
――――――
全機体数:24 敵:21 あなたのチーム:3
全チーム:8 敵:7 あなたのチーム:1
――――――
麗たちはまだ戦っていない。なのに、あっという間に残りチームが半分以下になった。
ZeroOne「本当ね。舞が言ってた通り。対戦があったら、半分、半分って感じで減っていくから、あっという間に半分以下になったね」
Mai「麗ちゃん。前。敵よ」
麗たちの前に敵チームが飛んでいるのが見えた。ラッキーだ。三人そろってロックオンし撃墜した。一瞬だった。
しかし、これは油断したら、逆でも起こることだ。敵を撃墜して、三人とも改めて自分たちも油断してはいけないと思えた。
――――――
全機体数:21 敵:18 あなたのチーム:3
全チーム:7 敵:6 あなたのチーム:1
――――――
◇◇◇◇◇◇
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