第7話 エピソード2 喫茶店『エントランス2016』
◇◇◇◇◇◇
6月10日(土)15時00分
◇◇◇◇◇◇
少しして
「こんにちは、舞ちゃん」
「あ、京介さん。京介さんは今晩のゲーム参加しないの?」
「うん、参加せずに見てるよ」
スマホは画面が小さいからとパソコンを持参したという。
「参加すればいいのに」
舞が言うが観戦するだけだという。
麗たちの家は一階が喫茶店になっていて二階が居住スペースになっている。祖父と祖母が喫茶店をしていたが両親は店を継がなかった。
姉の泪が営業許可を取って時間があるときだけ店をやっている。気まぐれな喫茶店だ。
喫茶店『エントランス2016』
泪は大学院生、妹の舞は大学生なので忙しい。意外とOLの麗が最近テレワークで家にいられる時間が多く、店の切り盛りができる環境になっている。
そうはいっても友達や近所の知り合いが来る程度で店をやっていてあまり手を広げないようにしている。
そうしているうちに姉の泪が付き合っている
買い物に行っていたようだ。和也は買い物袋を両手に持たされている。
「なに? この団体さまは」
泪が驚いたように言う。
「ごめんごめん。私の友達たちが今晩のゲーム、ここで一緒にゲームに参加したいっていうから……」
舞がみんなにプリンを配りながら言う。
「ええ、すごいね。賑やかになるね」
そう言いながら泪と和也は二階へ上がって行った。
◇◇◇◇◇◇
6月10日(土)18時00分
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泪がみんなのために晩ご飯を作ってくれた。麗も舞も手伝いながら、おにぎりや唐揚げ、ウインナーに玉子焼き、サラダ。
なんだかお弁当のおかずのパーティー版のようだったが味はとても美味しかった。喫茶店スペースでみんなで食事をする。
ゲームもここですることになっていた。舞の友人たちもこの前のゲームの話で盛り上がる。
「結局さあ、最初の数分が結構集中力いるんだよな」
「そうそう。チームの数が多くて、どの参加者も早くやっつけれるヤツを倒しとこうとして撃ってくるからさ」
「そうだよ。最初の数分は、誰もが手当たり次第に攻撃してくる感じだよな」
「まず、そこで生き残ることだよ」
「私たちそこで脱落組よ」
舞の友人女子が苦笑いしながら言う。
「まあ、結構、運もあるよね。あれは」
舞がプリンを食べながら言う。
そんな会話を麗も微笑みながら聞いていた。
「結局、おれたち、そのゴタゴタ状態は切り抜けたんだけど、その後一旦落ち着いた瞬間だよ」
舞の友人男子がおにぎりを食べながら言う。
「そうそう、どこから攻撃されたかもわからず
「そうだよ。まったく敵に気が付かなかった」
「そして『なに?』って思った瞬間。おれもやられてた」
「ああ、その時間、わずか五秒くらいだったな」
「後ろからだったか?」
「いや、
麗は聞くともなく聞いていた。
「だれに撃たれたかとかわからない仕組みになってるの?」
麗が何気なく聞く。
「いえ、敵の機体が近づいてきたら、その機体の下にチーム名とコードネームが出るんでわかるんですよ。でもミサイルだけ飛んできてしかも、おれたちの場合、そのミサイルすらどこから飛んできたのかわからなかったんです」
「へえ」
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